Sales Ops(セールスオペレーション)でマーケティング&セールスデータを連携し、セールスパイプラインを最適化

by 加藤龍彦 | 2022年05月17日

Sales Ops(セールスオペレーション)とは?

今や、B2B セールスはデジタルにシフトしています。これにはさまざまな理由がありますが、特に重要なものはデジタルなタッチポイントがよりスマートかつ迅速で、顧客中心のセールスプロセスを実現するのに適している、という点でしょう。例えば、製品を試用してもらったユーザーへのフォローアップを行う際に、製品のダウンロードをトリガーとしてデジタルに検知して、適切なタイミングでパーソナライズされたメールを送信する、といったことが可能です。

デジタルへのシフトを裏付ける数字として、Gartner 社は2025年までにB2B セールス関連の顧客とのインタラクションの80%がデジタル上で発生するようになると予測しています。この数字を考えれば、スムーズなデジタルでの顧客体験の提供は最重要のセールスツールであり、適切なタイミングで、適切なリードに、適切な情報を提供することが収益に直結することになります。しかし、こうした取り組みの障害となるのがデータの肥大化とサイロ化です。

なぜデータの肥大化・サイロ化が起きるのでしょうか。セールス業務におけるデジタルな顧客タッチポイントはERP、CRM、マーケティング、会計ツールなどさまざまなツール上に大量のデータを生成します。自社サイトへの訪問、ダウンロード、メールの送信、見積書の作成、カスタマーサポートなどがすべてデータとなることを考えれば、状況がイメージできるでしょう。顧客にスムーズな体験を提供するためには、Sales Ops チームがこうしたデータを適切に活用する必要があります。Sales Ops チームの導入は日本ではまだまだ途上ですが、セールステックの選定から取得したセールスデータの分析、分析に基づく戦略策定や施作実施まで、広くセールスとIT の橋渡しをするチームとして米国、特にSaaS 企業で広く導入されています。

データ連携が不十分なシステムを使っていたり、「顧客の360°ビュー(Customer 360」)を把握していない企業は、以下のような課題に直面することになります。

  • 低質な顧客体験
  • ホットなリードにアプローチする機会の喪失
  • 部門間のミスコミュニケーション
  • マーケティングとセールスにまたがるデータの分析が困難
  • 精度の低い売上予測

データとセールスの架け橋であるSales Ops チームは、情報の海から有用な情報を選別し、セールス業務を改善してより多くの売上を出すための施作を継続的に提案・実施していくことがミッションです。そして、このミッションに欠かせない部品がデータ連携なのです。

本記事では、セールスプロセスの改善、顧客とのインタラクションの最適化、そして現代のデジタルファースト・顧客中心時代のセールスにおいて、データ連携がどのようにSales Ops に貢献するのかを見ていきます。

Customer 360 でカスタマージャーニーを最適化

すでに触れたように、現代のB2B セールスで最も重要な要素はデジタルベースの体験です。適切なタイミングでニーズにマッチする情報を顧客に提示できるかどうかが、成約に結びつくかどうかの分かれ目になります。SNS でのインタラクションからE メールでのナーチャリング、無償トライアルなど、顧客は実際にセールス担当とやり取りする前にもあなたの会社と多くのやり取りを行っているのです。

さまざまなチャネルから得られた顧客情報を一元管理する顧客の360°ビューを実現することで、セールス担当者は顧客が「認知」、「情報収集」といったカスタマージャーニーのどのフェーズにいるのかを正確に把握できます。適切なデータへのアクセスがあれば、Sales Ops チームはセールス担当者に「確度の高いリードのフォローアップに必要な顧客のパーソナライズされた情報」を提供することができるのです。

見込み顧客が製品のどういった機能に特に関心を持っているのか、どのような課題を解決しようとしているのか、カスタマージャーニーのどのフェーズにいるのか。このような情報は、モダンなツールが導入されていれば、各部門が使用するツール内にデータとしてすでに蓄積されています。必要なものは、こうしたデータを統合してインサイトを引き出すための方法です。

CData のデータ統合ソリューションを活用すれば、SNS のデータ、Marketo などのMA ツール、Salesforce などのCRM を統合して顧客の360°ビューを構築できます。

データドリブンな売上予測

データドリブンな企業にとって、売上予測の価値は計り知れません。売上予測が営業戦略、予算や人員配置の策定など、さまざまな経営判断に影響を与えるからです。しかしHubspot 社の調査によると、多くの企業では予測の精度は75%を下回るレベルのようです。予測精度を低下させる要因の1つとして指摘されるのは、部門間のデータの不整合です。マーケティング、セールス、経理など、売上予測に必要なデータは往々にして異なる部門間にサイロ化して、データの整合性が取れない状態になっています。

経営やセールス業務の遂行における売上予測の重要性を考慮すれば、正確な予測をもっと簡単に生成できるようなプロセスの構築は重要です。

Sales Ops データの統合ソリューションは、社内のあらゆるデータを一か所に集約することで、正確で包括的な売上予測の算出に役立ちます。また、CData のデータコネクティビティの活用により、何百ものアプリケーション、システム、データベースのデータをお気に入りのデータ分析ツールから利用できます。このように、CData 製品を活用することでSales Ops やマーケティングチームは社内のあらゆるデータを分析して、より精度の高い売上予測を出せるでしょう。

セールスとマーケティング間の情報のサイロ化を解消

マーケティングとセールスなどの部門間の施作の微妙(時に大きな)なズレやミスコミュニケーションはよくあることで、今に始まったことではありません。しかし、こうした情報のサイロ化は見込み顧客に提示する情報の質を下げ、セールスパイプラインの構築を阻害し、結果的にリードの質を下げたり、リードへのフォローアップの停滞を招きます。

Sales Ops に関わるデータを連携すれば、ワークフローを統一してセールスサイクルを劇的に改善することができます。部門間のデータを連携して一気通貫のパイプライン管理を構築できれば、顧客情報を一度収集するだけで全部門に共有でき、リード情報を素早く取得してスコアリング、フォローアップ、クロージングというステップを踏むことができます。これでセールスプロセスのボトルネックを解消でき、見込み顧客を取りこぼす可能性はぐんと減ります。

実際に各部門が他部門のデータを活用することでどのようなメリットがあるのか、例を上げましょう。

  • セールス部門は、MA ツールのデータを使って確度の高いリードを選定し、製品を買う意思のある見込み顧客にフォローアップを行っているかどうか確認できます。
  • マーケティング部門は、CRM ツールが持つ顧客関連の指標を使って製品のメッセージングを考案する際の参考にしたり、顧客に響く事例作りや、効果的な広告作成に活かしたりといったことができます。
  • 経理部門は、請求書の作成から売掛金の管理に至るまでのプロセスを効率化できます。

このように、データ連携によって部門間の透明性を向上させることで各部門の業務を効率化し、全社的な業務効率の改善が見込めます。

CData はSales Ops データの連携を支援します

先進的な企業と肩を並べて競うには、セールスチームにもより高い透明性と顧客ファーストなアプローチが求められます。CData はのコネクティビティソリューションにより、全企業レベルでインサイト・アクションにつながる顧客データ集約し、より多くの案件をクローズできます。

CData はSales Ops チームに社内のデータを接続、統合、自動化してセールスプロセスを改善するためのデータコネクティビティツールを提供します。セールスに関する意思決定が正確で各部門をまたぐ包括的なものであれば、セールスファネルを全体に渡って効果的にパーソナライズ予測改善することができます。

データへのアクセスを改善することで、Sales Ops チームはセールスチームをより効果的に支援できるようになり、成約率の向上、顧客満足度の上昇、そして売上の増加に繋がります。CData Sync を使えば、200を超える製品のデータをお好みのデータベース、データウェアハウス(DWH)に同期・統合できます。CData Connect Cloud は、あらゆるSaaS データへお好みのアナリティクス・分析ツールからのクラウドネイティブなリアルタイムデータ接続を提供します。データ連携・自動化にはCData Arc をぜひご活用ください。どの製品も30日間無償トライアルが可能ですので、お気軽にご利用いただけます。

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