
本記事ではAmazon Marketplace ドライバーを使ってレポートを作成または取得する方法を説明します。
Amazon Marketplaceのレポートは、出品者が販売活動を分析し、ビジネスを最適化するためのデータを提供するツールです。これらのレポートには、売上、在庫、広告パフォーマンス、手数料、顧客の購買行動など、さまざまな情報が含まれています。これらのレポートを活用することで、効率的な運営や収益の最大化が可能になります。レポートはSeller Central の画面またはWeb API でアクセスできますが、Amazon Marketplace ドライバーを使うとSQL によってレポートを扱うことができます。本記事では以下4つの処理をドライバーで実行する方法を説明します。
- レポートをテキストファイルとして取得する
- レポートをビューとしてアクセスする
- レポートのビューをカスタマイズする
- レポートを作成する
レポートをテキストファイルとして取得する
レポートをテキストファイルとして取得するにはGetReport ストアドプロシージャを使います。ReportDocumentId パラメータにレポートドキュメントId、DownloadPath パラメータに出力先のファイルパスを指定します。レポートドキュメントId はレポートを識別するId で、ReportList ビューのReportDocumentId カラムで取得できます。例えば以下のクエリを実行するとReport.txt を作成し、指定したレポートの内容をTSV 形式で出力します。
EXEC GetReport ReportDocumentId = 'amzn1.spdoc.1.4.fe.123456-5c54-44bc-86bb-85d9b622f92e.ABCDEFPOKGJM.107', DownloadPath = 'C:\Work\Download\Report.txt';
レポートをビューとしてアクセスする
IncludeReports プロパティに「True」を設定すると、個々のレポートをビューとしてアクセス可能になります。以下はIncludeReports プロパティにFalse またはTrue を設定したときに、データベースツールを通してドライバーが取得したビューのリストを示した画面です。

この画面の通りIncludeReports=True を設定するとビューのリストに個々のレポートが追加され、以下のように個々のレポートに紐づいたビューをクエリすることができるようになります。
SELECT * FROM REPORT_GET_MERCHANT_LISTINGS_DATA;
レポートのビューをカスタマイズする
前述のビューはレポートの形式によってカラムなどが自動で設定されますが、ビューのスキーマ(カラムなどの定義)をカスタマイズすることによって不要なカラムを削除したりカラム名を変更したりすることができます。
はじめにビューのスキーマを作成するためにCreateReportSchema ストアドプロシージャを実行します。
ReportName パラメータにはレポート名またはレポートタイプ、ReportId パラメータにはレポートドキュメントId, TableName パラメータには作成するスキーマの名前を指定します。レポートタイプはこちらのページまたはドライバーのReportTypes ビューで確認できます。
EXEC CreateReportSchema ReportName = 'GET_MERCHANT_LISTINGS_ALL_DATA', ReportId = 'amzn1.spdoc.1.4.fe.123456-156b-497c-a06f-e1286154f49c.ABCDEF6H3TT07.47700', TableName = 'MyReport';
このストアドプロシージャを実行すると以下のフォルダ(Location プロパティで変更可能)に「ビュー名.rsd」 というファイルが作成されます。ビュー名はTableName パラメータで指定した名前が設定されます。上のクエリではMyReport.rsd というRSD ファイルが作成されます。
C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\CData\AmazonMarketplace Data Provider\Schema\SellerCentral
RSD ファイルは以下のようにスキーマを定義したXML 形式のファイルで、これをテキストエディタで開いて編集することでスキーマを修正することができます。例えば<api:info>要素の<attr>はビューのカラムを定義します。この要素を削除することでカラムを削除したり、name 属性を変更してカラム名を変更したりすることができます。

作成、編集したスキーマはビュー名でアクセスします。たとえば上のクエリで生成したMyReport は以下のクエリで取得できます。自分で生成したスキーマにアクセスする場合はIncludeReports プロパティの設定は不要です。
SELECT * FROM MyReport;
レポートを作成する
Amazon Marketplace 上にレポートを作成するにはRequestReport ストアドプロシージャを使用します。MarketPlaceIds パラメータにマーケットプレイスのId、ReportType パラメータに作成するレポートタイプを指定します。必要に応じてレポートに反映するデータの期間としてDataStartTime、DataEndTime、また他のオプションが必要な場合はReportOptions パラメータを指定します。
EXEC RequestReport MarketplaceIds='ABCD1234XYZ', ReportType='GET_RESTOCK_INVENTORY_RECOMMENDATIONS_REPORT', MarketplaceIds='ABCD1234XYZ', DataStartTime='2025/4/1', DataEndTime='2025/4/7';
このストアドプロシージャを実行しレポートの作成に成功するとレポートのId が返されます。作成したレポートの詳細が見たい場合はReportList ビューにアクセスしてください。以下のように取得したレポートのId でフィルタリングすると目的のレポート情報を効率的に取得することができます。
SELECT * FROM ReportList where ReportId = '12345020195';
おわりに
本記事ではAmazon Marketplace ドライバーでレポートを扱う方法を説明しました。Amazon Marketplace ドライバーは30日間無料で試用できます。Amazon Marketplace との連携をご検討の方はぜひお試しください。また、今回紹介したストアドプロシージャやビューの使い方、スキーマの編集方法などについて質問があるかたはCData のサポートデスクまでお気軽にお問い合わせくださ
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