クラウド移行とデータ仮想化:今注目の6つのトレンドを解説

by 加藤龍彦 | 2022年11月07日

DX(デジタルトランスフォーメーション)がますます話題になる中で注目されるのが、データやシステムのクラウド移行、仮想化ですね。クラウド環境やSaaS はスモールスタートできる上スケールしやすく、手軽にはじめられるので、クラウド移行のトレンドは一層進んでいくのではないでしょうか。しかし、こうしてクラウドが注目される一方、企業で活用されるSaaS やDWH が増加し、データの分散・サイロ化がますます進んでいます。このようにさまざまな場所にバラバラになったデータを扱う際に役立つのが、データ仮想化です。記事の中でより詳しく解説しますが、データ仮想化はクラウド移行に欠かせないツールだと言えるでしょう。

この記事ではクラウド、SaaS 移行の6つのトレンドとそのメリットおよび課題、こうしたトレンドが抱える課題をデータ仮想化、CData のデータ連携製品が企業の抱えるデータ仮想化に関する課題をどのように解決できるのかご紹介します。

データ仮想化って何のこと?

まずはデータ仮想化の意味を確認しておきましょう。ここでデータ仮想化というときには、社内のあらゆるデータを、データそのものに手を加えることなく、1つのプラットフォーム、アプリケーション、またはシステムからアクセスできるようにする、データ管理用システムのことを指します。

現在のデータエコシステムにおけるデータ仮想化には、特に重要なトレンドが6つあるといえます。このあと、各項目をについて詳しく見ていきます。

全社的なデータアクセスニーズの増大

SaaS やクラウド製品を導入するということは、それだけデータソース=データの格納場所を増やすことにも繋がります。そのため、データの分散・サイロ化はクラウド移行を進める上で避けて通れない課題です。データ仮想化はこの課題を解決してくれます。CData Connect Cloud に代表されるテクノロジーは、Data Connectivity as a Service、つまりデータがどこに格納されていようと、社内のあらゆるデータへの接続(コネクティビティ)、連携、自動化を1手に引き受けて実現します。

Connect Cloud のような手軽にノーコードで使えるデータ仮想化製品を使えば、ビジネスパーソンであっても簡単にデータにアクセス・分析できるようになります。「データの民主化」や「シチズンデータサイエンティスト」といったキーワードの出現からもわかるように、データへのアクセス、分析ニーズは増加傾向にあり、サイロ化したデータに一箇所から手軽にアクセスできるデータ仮想化技術はますます重要性を増しています。IT 部門にデータへの接続やデータをデータウェアハウスに移すためのパイプラインを構築・保守してもらう時代は終わりつつあるのです。

より柔軟な仮想化ホスティング

仮想化ホスティングの選択肢は、Microsoft Azure、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)、さらにコンテナベースのサービスも存在し、多様化しています。さらに、各サービスの中でも仮想化インフラの設定には多くの選択肢が存在します。

データ仮想化にこれだけの選択肢があるなかで、データエンジニア、IT 担当者としては、どのようにデータ分析基盤の構築にアプローチするか悩ましいところでしょう。データの格納先はデータウェアハウス(DWH)とデータレイクどちらにするか?ハイパフォーマンスな仮想マシンを少数用意するか、個々のパフォーマンスは低くとも運用するVM の数を増やして処理を分散させるか、などなど。選択肢があるのは望ましいとはいえ、これだけ自由度があると、担当者がその分野のスペシャリストでなければ、すべてを決定するのは難しくなるかもしれません。

エッジコンピューティングとのさらなる連携

レイテンシの向上やセキュリティへの関心が高まる中で、エッジコンピューティングの導入がますます進んでいます。データソースに物理的に近い「エッジ」に処理を分散することでより小規模の仮想マシンで、POS システムやIoT 関連の周辺機器といった、各データソースのデータを処理できるようになる、というのがエッジコンピューティングの利点です。

エッジコンピューティングにデータ仮想化を導入することで、使用されるハードウェアにかかわらず同じソフトウェアを使ってデータを管理できます。IoT 管理ツールやPoS システムのような仮想環境でデータを統一的に処理するアプリケーションを使うことで、製造元に関らず複数のデバイスのデータを統合できます。例えば製造プラントであれば、小規模サーバーをホスティングすることで各施設の物理的な位置に最も近い各プランと用の仮想環境でデータを処理・管理できます。このようなカスタムソリューションの作成、調整、保守にコストを費やすことなく、IT 部門の担当者は仮想化システムを設定することで環境内のあらゆるデバイスと連携できます。

セキュリティの改善

新しいテクノロジーを採用する際、特にミッションクリティカルなデータやセンシティブなデータの格納や処理に使う際には、セキュリティが極めて重要です。クラウド移行の利点の1つは、多くのサービスがMicrosoft、Google、Amazon、Oracle といった信頼性が高くよく知られた企業によってホスティングされている、ということです。こうした信頼性の高い企業の製品を採用することで、データおよびアプリケーションのセキュリティに関して最低限の信頼性を確保できます。

そこから先は各社が使用したい製品やプラットフォームに応じてIT 部門がセキュリティニーズを調整していくことになるでしょう。CData Connect Cloud はセキュリティ面でも効果的なソリューションを提供します。SaaS アプリケーションであれDB / DWH に格納されているデータであれ、このクラウドベースのデータ連携ハブを使えば、IT 部門はユーザー毎に社内データへのアクセス権を管理できます。CData Connect Cloud を使えば、IT 部門はホスティングプロバイダーのセキュリティ機能に加えてユーザーと各データへのコネクションごとの管理を一元化できます。

顧客ニーズへの対応速度の向上

クラウドのもう一つの利点は、クラウドアプリケーションを開発および保守する際により素早く顧客ニーズに対応できることです。アプリケーションをクラウドにホスティングすれば、変更を依頼した顧客だけでなく、プラットフォームを使用するすべてのユーザーが変更点や追加機能を利用できます。開発、ステージング、本番環境がすべてクラウド上にホスティングされていれば、開発者が新機能をテストするのも容易になりますし、環境をスケールする際のコストも低下します。仮想サーバーをクラウドでプロビションするほうが、物理サーバーを構成してプロビジョンするよりも遥かに簡単なので。

CData でもこのトレンドを取り入れており、CData Connect Cloud に追加される新機能、新しいデータソース、新しい連携クライアントは、すべてのCData Connect Cloud ユーザーに同時に利用可能になります。Connect Cloud はクラウドにホスティングされているので、更新や修正はソフトウェアのインストールより迅速です。

パフォーマンスの最適化に使う時間の増加

物理的な構成に加えてOS やソフトウェアのインストールを行う必要がある物理サーバーに対して、マシンが数クリックでプロビジョンできればIT 部門はパフォーマンスの最適化や社内の仮想環境の利用しやすさに集中できます。

IT 部門はどのVM が最大のリソースを使っているかモニタリングして、必要であれば上位のインスタンスをプロビジョンしたり、いくつかの下位のインスタンスのマシンに処理を分散してタスクを実行する、といった調整ができます。仮想の帯域幅、メモリ使用率、ディスク使用率を調整してコストを調整する、といったこともできます。

CData Connect Cloud に代表されるモダンなデータ連携ソリューションと同様、データ仮想化のトレンドも日進月歩です。

クラウド、オンプレ、DWH、DB、SaaS など、どこにデータがあってもCData の連携ソリューションが役立ちます。記事でも紹介したCData Connect Cloud の無償トライアルはこちらからお試しください。データ連携で困っているけどどの製品を使ったらいいかわからない、といったお悩みがある方はこちらからお気軽にお問い合わせください。データ連携のプロフェッショナルが最適な製品をご案内します。

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