CData MCP Servers でAI をエンタープライズデータに接続!裏側の仕組みを徹底解説

CData MCP Server でAI をエンタープライズデータに接続!裏側の仕組みを徹底解説

大規模言語モデル(LLM)の有用性は、アクセスできるデータの質に大きく左右されます。Model Context Protocol(MCP)はLLM を外部システムに接続するためのプロトコルを提供しますが、その接続の真の価値はサーバー側の実装の品質とアーキテクチャに依存します。AI によるスケーラブルで安全、かつ高性能なデータアクセスを求めるエンタープライズチームに向けて、CData MCP Servers は強力なソリューションを提供します。これは、私たちが10年にわたり取り組んできた、エンタープライズグレードのデータコネクティビティ技術に根ざしています。

この記事では、CData MCP Servers の構造、エンタープライズデータをAI ツールにどのように公開しているか、そしてそのアーキテクチャが安全かつ効率的なAI 導入においてなぜ重要なのかを、技術的な観点から解説します。

※本記事はCData USブログUnder the Hood: How CData MCP Servers Connect AI to Enterprise Data and How to Build Your Own の翻訳です。

目次

アーキテクチャ:CData ドライバーとのネイティブ統合

CData MCP Servers は、Windows の実行ファイル(exe ファイル)でインストールできるローカルサービスです。CData Drivers をラップしており、Claude Desktop で利用するために設計されたMCP 準拠のインターフェースを提供します(他のAI クライアントとの互換性も鋭意開発中です)。各データソース向けのサーバーは、ドライバーの既存のSQL エンジンやエンタープライズ機能を活用し、セッション管理、クエリ処理、API 連携を実現します。

ツールの公開と整合性

CData MCP Servers は、データベースとの連携と機能に合わせて、以下のようなコアMCP ツール一式を実装しています。

  • get_tables
  • get_columns
  • get_primarykeys
  • get_procedures
  • get_procedure_params
  • run_query
  • run_procedure

これらのツールは、サポートされているすべてのデータソースで統一されており、カスタムの拡張は必要ありません。この一貫性により、AI クライアントは標準化されたロジックを用いてエンティティを検出・操作でき、データソースごとに特別なケースを処理するための個別開発が不要になります。

ツールのインターフェースは、ドライバーの機能として直接サポートされています。たとえば、AI が get_procedure_params を呼び出すと、MCP Server は特定のアクションを実行する手順に必要なパラメータを、連携先のシステムに応じて動的に返します。この処理は、ドライバーのメタデータ発見用エンジンを使用して行われます。

動的なスキーマ検出とメタデータの公開

メタデータは接続先ごとに取得され、アクティブユーザーの権限やデータソースの現在の状態を反映します。ほとんどの場合スキーマ情報はリアルタイムで取得されるため、LLM はカスタムフィールド、動的レポート、仮想ビュー、およびその他のランタイム時に定義される動的オブジェクトにアクセスできます。

パフォーマンスを向上させるため、一部のMCP Server ではキャッシュされたメタデータやスキーマファイルを使用して、ルックアップの回数を減らしています。リアルタイムのメタデータ取得とキャッシュの活用のバランスを最適化することで、API の負荷を最小限に抑えつつ、シームレスなAI 体験を実現します。

SQL とプロシージャによるデータおよびアクションへのアクセス

CData MCP Servers は、データソースの基盤となるデータ構造に関係なく、エンタープライズデータを表形式のモデルとして公開します。CRM やERP などの業務システムのデータは、LLM がそのまま理解してクエリできる一貫したSQL インターフェースに変換されます。

読み取り操作は、標準的なSELECT 句を使って実行されます。リードの追加、ステータスの更新、レコードの削除のような書き込み操作では、INSERT、UPDATE、DELETE 構文を使用します。

メール送信やワークフローのトリガーなど、クエリベースではない操作向けには、各MCP Server がストアドプロシージャを公開します。これらのプロシージャは get_procedures tool で検出され、run_procedure で実行されます。

名前とパラメータ構造はドライバーレベルから変更されないため、AI はベンダー固有の変換ロジックを必要とせずに、データの取得と操作を行うことができます。

LLM ドリブンな処理の実行を最適化

MCP Server は、基盤となるドライバーの高度な機能を活用することでパフォーマンスを最適化しています。

  • クエリプッシュダウン:SQL のフィルタ、結合、集計は可能な限りデータソース側に変換・転送されます。これにより、MCP Server 内での処理を最小限に抑え、レイテンシを削減します。
  • 並列ページング:対応している場合、結果を並列で取得することで、大規模なクエリ応答を高速化します。
  • ストリーミングモード:大規模なデータセットでは、レコードを段階的にストリーミングすることで、メモリのボトルネックを回避します。

インタラクティブなAI ユースケースにおいては、複雑なシステムや大規模なシステムに対してクエリを実行する際でもユーザーがリアルタイムの応答性を期待するため、こうした最適化は極めて重要です。

エンタープライズグレードのセキュリティを設計段階から実現

CData MCP Servers を通じて行われるすべてのデータリクエストは、認証されたユーザーの権限とID によってスコープが定義されます。サーバーはデータの移動やコピーを行わずに、その場でデータにアクセスします。これにより、エンタープライズデータガバナンス標準への準拠を実現します。

CData は以下を含む複数のエンタープライズ認証方式をサポートしています。

  • OAuth
  • SSO (例: Okta、Azure AD)
  • Kerberos
  • 基本認証(API キー、ユーザー名 / パスワード)

認証はサーバー単位でグローバルに構成されるため、管理者は資格情報ポリシーを一元的に適用しながら、複数のAI ツールへのアクセスを提供できます。

さらに、CData プラットフォームは以下の認証・準拠を取得しています。

  • SOC 2 Type II 認証
  • ISO/IEC 27001:2022 準拠
  • GDPR 準拠

これにより、企業のIT チームはプラットフォームのセキュリティ体制に自信を持って、MCP ベースのAI ソリューションを採用できます。

デプロイと診断

CData MCP Servers の初期リリースは、Windows デスクトップサービスとして提供されます。Claude Desktop で動作確認済みで、MCP をサポートする任意のLLM クライアントと互換性があります。サーバーはローカルで実行され、各インスタンスはユーザーアカウントやサービスレベルアカウントを活用して、特定のデータソースシステムに接続するよう個別に構成できます。

監視および診断のために、サーバーはインスタンスごとに構成可能なテキストベースのログ機能を提供します。ログには、セッションのアクティビティ、ツールの呼び出し、クエリ実行のトレース、エラー報告などが含まれており、管理者はAI の動作状況やシステムパフォーマンスを把握できます。

CData JDBC Drivers で自分だけのMCP サーバーを構築

CData は、独自のMCP Server の無償ベータ版をリリースするだけでなく、CData JDBC Drivers をベースにユーザーが自身のMCP サーバーを簡単に構築できる専用サーバーを公開しました。現在、GitHub 上にオープンソースの読み取り専用サーバーを公開しており、自由にフォークしてカスタマイズし、ご自身のプロジェクトに活用いただけます。レポジトリをチェックアウトして、CData のコネクティビティモデルがどれほど簡単にあらゆるエンタープライズデータソースへアクセス可能なMCP サーバーを構築できるかをご確認ください。業務システムからデータを取得するために数十のツールを使う必要はありません

レポジトリはこちら

エンタープライズデータをAI でフル活用

CData MCP Servers は、実績あるドライバー基盤と、セキュアかつ標準に準拠したデータ統合における数十年の経験を活かし、技術的に厳密で本番環境に対応したModel Context Protocol の実装を提供します。

お使いのAI ツールがエンタープライズデータを扱う準備が整っていれば、CData はその接続をシームレスで高性能、そして安全に実現するアーキテクチャを提供します。

この製品を実際に体験するには、無償のCData MCP Servers をダウンロードしてエンタープライズ対応AI の未来を共に形作っていきましょう。

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