ETL ツールのEmbulk を使ってDynamics 365 のデータをDB にロードする方法

OSS のETL ツールEmbulk のJDBC Plugin を使って、Dynamics 365 のデータを簡単にDB に同期する方法をご紹介します。

杉本和也
リードエンジニア

最終更新日:2023-10-13

この記事で実現できるDynamics 365 連携のシナリオ

こんにちは!リードエンジニアの杉本です。

Embulk は、大量のデータをDB、クラウドデータストア、DWH にロードできるオープンソースETL ツールです。近頃のトレンドでは1社で複数のオンプレアプリやSaaS を使っており、データ分析にはETL ツールを使ってデータを丸ごとDB/DWH にロードしてから、分析や可視化をすることが主流になっています。Embulk にはいろいろなプラグインがあり、多様なInput とOutput 処理をサポートしています。この記事では、Embulk のJDBC Input Plugin と CData Driver for Dynamics365 を使って、Dynamics 365 のデータを簡単にDB にロードする方法をご紹介します。この例ではロード先のDB にはMySQL を使います。

Embulk でDynamics 365 のデータをロード

  • CData JDBC Driver for Dynamics365 をEmbulk と同じマシンにインストールします。CData JDBC ドライバは30日間の無償トライアルが利用できるので、サイドバーからお気軽にダウンロードしてご利用ください。
  • 以下のパスにJDBC Driver がインストールされます。後ほどこのパスを使います。
    C:\Program Files\CData\CData JDBC Driver for Dynamics365 2019J\lib\cdata.jdbc.dynamics365.jar
  • 次に、EmbulkとCData JDBC Driverをつなぎこむための、JDBC Input Plugin をインストールします。以下のリンクからダウンロードできます。

    https://github.com/embulk/embulk-input-jdbc/tree/master/embulk-input-jdbc

    インストール用のコマンドはこちら:

    embulk gem install embulk-input-jdbc
  • 今回はロード先DB としてMySQL を使います。ほかにもSQL Server、PostgreSQL、Google BigQuery などを使うことも可能です。ロードに必要な以下のプラグインをインストールしましょう。

    https://github.com/embulk/embulk-output-jdbc/tree/master/embulk-output-mysql

    コマンドはこちら。

    embulk gem install embulk-output-mysql
  • config ファイルを作成し、Dynamics 365 -> MySQL のジョブを作成します。dynamics365-mysql.yml というファイル名で、以下の内容で作成しました。
  • in: type: jdbc driver_path: C:\Program Files\CData\CData JDBC Driver for Dynamics365 2025J\lib\cdata.jdbc.dynamics365.jar driver_class: cdata.jdbc.dynamics365.Dynamics365Driver url: jdbc:dynamics365:OrganizationUrl=https://myaccount.operations.dynamics.com/;Edition=Sales;InitiateOAuth=REFRESH table: "GoalHeadings" out: type: mysql host: localhost database: DatabaseName user: UserId password: UserPassword table: "GoalHeadings" mode: insert
  • JDBC URL の内容は、ご利用の環境や資格情報を入力してください。

    Dynamics 365 接続プロパティの取得・設定方法

    Microsoft Dynamics 365 への接続

    Microsoft Dynamics 365 ドライバーは、以下のMicrosoft Dynamics 365 エディションへの接続をサポートしています。

    • CustomerService
    • FieldService
    • FinOpsOnline (デフォルト)
    • FinOpsOnPremise
    • HumanResources
    • Marketing
    • ProjectOperations
    • Sales

    Notes:

    • Supply Chain Management はFinance and Operations と同一です。これらのいずれかに接続するには、EditionFinOpsOnline またはFinOpsOnPremise のいずれかに設定します。
    • Microsoft Dynamics 365 Business Central については、個別のMicrosoft Dynamics 365 Business Central ドライバーを使用してください。
    接続するには、次のパラメータを設定します。
    • OrganizationUrl:お使いのMicrosoft Dynamics 365 組織のURL。例えば、https://orgcb42e1d0.crm.dynamics.com
    • Edition:上記のエディション一覧に示すとおり。

    Microsoft Dynamics 365 への認証

    Microsoft Dynamics 365 は、Azure AD、Azure サービスプリンシパル、Azure マネージドID(MSI)を経由する認証をサポートします。これらはすべてOAuth 規格に基づきます。 認証方法の詳細は、ヘルプドキュメントを参照してください。

  • テーブル名は取得したいテーブル名を入れます。
  • これで準備完了です。あとは「embulk run」で実行するだけです。
  • embulk run dynamics365-mysql.yml
  • 実行後MySQL Workbenchからテーブルを確認してみると、データが取得できているはずです。

クエリ条件でフィルタリングしたデータのロード

ちなみに、上記の例ではテーブル名を直接指定しましたが、以下のようにSQL クエリを書いてもいいです。 WHERE 句で作成日や修正日を指定すれば、最新のデータだけを対象にすることも可能です。

in: type: jdbc driver_path: C:\Program Files\CData\CData JDBC Driver for Dynamics365 2019J\lib\cdata.jdbc.dynamics365.jar driver_class: cdata.jdbc.dynamics365.Dynamics365Driver url: jdbc:dynamics365:OrganizationUrl=https://myaccount.operations.dynamics.com/;Edition=Sales;InitiateOAuth=REFRESH query: "SELECT GoalHeadingId, Name FROM GoalHeadings WHERE [RecordId] = 1" out: type: mysql host: localhost database: DatabaseName user: UserId password: UserPassword table: "GoalHeadings" mode: insert

おわりに

CData JDBC Driver for Dynamics365 をEmbulk で使うことで、Dynamics 365 と連携して簡単にデータを取得できます。ぜひ、30日の無償評価版をお試しください。

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