ETL ツールのEmbulk を使ってDynamics CRM のデータをDB にロードする方法

OSS のETL ツールEmbulk のJDBC Plugin を使って、Dynamics CRM のデータを簡単にDB に同期する方法をご紹介します。

杉本和也
リードエンジニア

最終更新日:2023-10-13

この記事で実現できるDynamics CRM 連携のシナリオ

こんにちは!リードエンジニアの杉本です。

Embulk は、大量のデータをDB、クラウドデータストア、DWH にロードできるオープンソースETL ツールです。近頃のトレンドでは1社で複数のオンプレアプリやSaaS を使っており、データ分析にはETL ツールを使ってデータを丸ごとDB/DWH にロードしてから、分析や可視化をすることが主流になっています。Embulk にはいろいろなプラグインがあり、多様なInput とOutput 処理をサポートしています。この記事では、Embulk のJDBC Input Plugin と CData Driver for DynamicsCRM を使って、Dynamics CRM のデータを簡単にDB にロードする方法をご紹介します。この例ではロード先のDB にはMySQL を使います。

Embulk でDynamics CRM のデータをロード

  • CData JDBC Driver for DynamicsCRM をEmbulk と同じマシンにインストールします。CData JDBC ドライバは30日間の無償トライアルが利用できるので、サイドバーからお気軽にダウンロードしてご利用ください。
  • 以下のパスにJDBC Driver がインストールされます。後ほどこのパスを使います。
    C:\Program Files\CData\CData JDBC Driver for DynamicsCRM 2019J\lib\cdata.jdbc.dynamicscrm.jar
  • 次に、EmbulkとCData JDBC Driverをつなぎこむための、JDBC Input Plugin をインストールします。以下のリンクからダウンロードできます。

    https://github.com/embulk/embulk-input-jdbc/tree/master/embulk-input-jdbc

    インストール用のコマンドはこちら:

    embulk gem install embulk-input-jdbc
  • 今回はロード先DB としてMySQL を使います。ほかにもSQL Server、PostgreSQL、Google BigQuery などを使うことも可能です。ロードに必要な以下のプラグインをインストールしましょう。

    https://github.com/embulk/embulk-output-jdbc/tree/master/embulk-output-mysql

    コマンドはこちら。

    embulk gem install embulk-output-mysql
  • config ファイルを作成し、Dynamics CRM -> MySQL のジョブを作成します。dynamicscrm-mysql.yml というファイル名で、以下の内容で作成しました。
  • in: type: jdbc driver_path: C:\Program Files\CData\CData JDBC Driver for DynamicsCRM 2025J\lib\cdata.jdbc.dynamicscrm.jar driver_class: cdata.jdbc.dynamicscrm.DynamicsCRMDriver url: jdbc:dynamicscrm:User=myuseraccount;Password=mypassword;URL=https://myOrg.crm.dynamics.com/;CRM Version=CRM Online; table: "Account" out: type: mysql host: localhost database: DatabaseName user: UserId password: UserPassword table: "Account" mode: insert
  • JDBC URL の内容は、ご利用の環境や資格情報を入力してください。

    Dynamics CRM 接続プロパティの取得・設定方法

    Dynamics CRM では、インスタンスごとに接続文字列の設定が必要です。 Authentication セクションでは、有効なDynamics CRM のUser、Password の入力、およびDynamics CRM Server Organization root のURL を設定します。さらに、CRMVersion プロパティに、'CRM2011+' もしくは'CRMOnline' を設定します。IFD コンフィグレーションもサポートされていますので、InternetFacingDeployment をTRUE に設定してください。

    また、Security Token Service(STS)、もしくはAD FS エンドポイントをSTSURL プロパティに設定することもできます。 この値はGetSTSUrl ストアドプロシージャで取得できます。 Office 365 ユーザーはデフォルトSTS URL にCRMVersion の設定だけで接続することができます。

  • テーブル名は取得したいテーブル名を入れます。
  • これで準備完了です。あとは「embulk run」で実行するだけです。
  • embulk run dynamicscrm-mysql.yml
  • 実行後MySQL Workbenchからテーブルを確認してみると、データが取得できているはずです。

クエリ条件でフィルタリングしたデータのロード

ちなみに、上記の例ではテーブル名を直接指定しましたが、以下のようにSQL クエリを書いてもいいです。 WHERE 句で作成日や修正日を指定すれば、最新のデータだけを対象にすることも可能です。

in: type: jdbc driver_path: C:\Program Files\CData\CData JDBC Driver for DynamicsCRM 2019J\lib\cdata.jdbc.dynamicscrm.jar driver_class: cdata.jdbc.dynamicscrm.DynamicsCRMDriver url: jdbc:dynamicscrm:User=myuseraccount;Password=mypassword;URL=https://myOrg.crm.dynamics.com/;CRM Version=CRM Online; query: "SELECT FirstName, NumberOfEmployees FROM Account WHERE [RecordId] = 1" out: type: mysql host: localhost database: DatabaseName user: UserId password: UserPassword table: "Account" mode: insert

おわりに

CData JDBC Driver for DynamicsCRM をEmbulk で使うことで、Dynamics CRM と連携して簡単にデータを取得できます。ぜひ、30日の無償評価版をお試しください。

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