Linux/Unix 上でPHP からSalesforce Data Cloud のデータに接続・連携

CData ODBC ドライバを使って、Linux/Unix マシン上でSalesforce Data Cloud のデータに連携可能なPHP アプリケーションを作成。PHP でのODBC ネイティブサポートを活用します。

古川えりか
コンテンツスペシャリスト

最終更新日:2023-09-22

この記事で実現できるSalesforce Data Cloud 連携のシナリオ

PHP(Linux)

こんにちは!ドライバー周りのヘルプドキュメントを担当している古川です。

CData ODBC Driver for SalesforceDataCloud をLAMP またはWAMP スタックにドロップし、Salesforce Data Cloud に接続されたWeb アプリケーションを構築します。本記事では、PHP のビルトインODBC 機能でSalesforce Data Cloud のデータに接続し、クエリを実行して、結果を出力する手順を説明します。

CData ODBC ドライバとは?

CData ODBC ドライバは、以下のような特徴を持ったリアルタイムデータ連携ソリューションです。

  1. Salesforce Data Cloud をはじめとする、CRM、MA、会計ツールなど多様なカテゴリの270種類以上のSaaS / オンプレミスデータソースに対応
  2. 多様なアプリケーション、ツールにSalesforce Data Cloud のデータを連携
  3. ノーコードでの手軽な接続設定
  4. 標準 SQL での柔軟なデータ読み込み・書き込み

CData ODBC ドライバでは、1.データソースとしてSalesforce Data Cloud の接続を設定、2.PHP 側でODBC Driver との接続を設定、という2つのステップだけでデータソースに接続できます。以下に具体的な設定手順を説明します。

UNIX/Linux マシンでCData ODBC Drivers を使用する

CData ODBC Drivers は、Ubuntu、Debian、RHEL、CentOS、Fedora など、Red Hat およびDebian ベースのさまざまなシステムでサポートされています。また、いくつかライブラリやパッケージが要求されることがありますが、それらの多くはシステムにデフォルトでインストールされています。サポートされているLinux オペレーティングシステムのバージョンと必要なライブラリの詳細については、インストール済みのもの、またはWeb 上にあるヘルプドキュメントの「はじめに」の章を参照してください。

ドライバーマネージャーをインストールする

ドライバーをインストールする前に、システムにドライバーマネージャーがあることを確認してください。この記事では、広くサポートされている無料のオープンソースODBC ドライバーマネージャーであるunixODBC を使用します。

Ubuntu のようなDebian ベースのシステムでは、APT パッケージマネージャーを使用してunixODBC をインストールできます。

$ sudo apt-get install unixODBC unixODBC-dev

Red Hat Linux ベースのシステムの場合は、yum またはdnf を使用してunixODBC をインストールできます。

$ sudo yum install unixODBC unixODBC-devel

unixODBC ドライバーマネージャーは、ドライバーの情報をodbcinst.ini ファイルから、データソースの情報をodbc.ini ファイルから読み取ります。 次のコマンドをターミナルに入力することで、システムの設定ファイルの場所を指定できます。

$ odbcinst -j

コマンドの出力は、登録されたODBC ドライバーおよびODBC データソースの設定ファイルの場所を表示します。 ユーザーデータソースにアクセスできるのは、odbc.ini ファイルがホームフォルダに格納されているユーザーアカウントだけです。システムデータソースには、すべてのユーザーがアクセスできます。 以下に、このコマンドの出力例を示します。

DRIVERS............: /etc/odbcinst.ini SYSTEM DATA SOURCES: /etc/odbc.ini FILE DATA SOURCES..: /etc/ODBCDataSources USER DATA SOURCES..: /home/myuser/.odbc.ini SQLULEN Size.......:8 SQLLEN Size........:8 SQLSETPOSIROW Size.:8

ドライバーをインストールする

標準パッケージ形式(Debian .deb パッケージ形式または.rpm ファイル形式)でドライバーをダウンロードすることができます。ファイルをダウンロードしたら、ターミナルからドライバーをインストールできます。

ドライバーインストーラーはドライバーをunixODBC に登録し、システムDSN を作成します。これは、後にODBC 接続をサポートするツールやアプリケーションで使用できます。

Ubuntu のようなDebian ベースのシステムでは、sudo またはroot で以下のコマンドを実行します。 $ dpkg -i /path/to/package.deb

Red Hat システムまたは.rpms をサポートするその他のシステムの場合は、sudo またはroot で以下のコマンドを実行します。 $ rpm -i /path/to/package.rpm

ドライバーがインストールされたら、unixODBC ドライバーマネージャーを使用し、登録されたドライバーと定義されたデータソースを一覧表示できます。

登録されているドライバーを一覧表示する

$ odbcinst -q -d CData ODBC Driver for SalesforceDataCloud ...

定義されたデータソースを一覧表示する

$ odbcinst -q -s CData SalesforceDataCloud Source ...

CData ODBC Driver for SalesforceDataCloud をunixODBC で使用するには、ドライバーがUTF-16 を使用するように設定されていることを確認します。そのために、インストール場所(通常はcdata.odbc.salesforcedatacloud.ini)のlib フォルダにある、ドライバー(cdata.odbc.salesforcedatacloud.ini)のINI ファイルを以下のように編集します。

cdata.odbc.salesforcedatacloud.ini

... [Driver] DriverManagerEncoding = UTF-16

DSN を変更する

ドライバーのインストールにより、システムDSN が事前定義されます。DSN を変更するには、システムデータソースファイル(/etc/odbc.ini)を編集し、必要な接続プロパティを定義します。さらに、$HOME/.odbc.ini での変更にルートアクセスを必要としない、ユーザー固有のDSN を作成することができます。

Salesforce Data Cloud は、OAuth 標準による認証をサポートしています。

OAuth

AuthSchemeOAuth に設定します。

デスクトップアプリケーション

CData は、デスクトップでの認証を簡略化する埋め込みOAuth アプリケーションを提供します。

また、Salesforce Data Cloud コンソールで設定および登録するカスタムOAuth アプリケーションを介してデスクトップから認証することもできます。詳しくは、ヘルプドキュメントカスタムOAuth アプリの作成を参照してください。

接続する前に、次のプロパティを設定します。

  • InitiateOAuthGETANDREFRESHInitiateOAuth を使えば、繰り返しOAuth の交換を行ったり、手動でOAuthAccessToken を設定する必要はなくなります。
  • OAuthClientId (カスタムアプリケーションのみ):カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントID。
  • OAuthClientSecret (カスタムアプリケーションのみ):カスタムOAuth アプリケーションの登録時に割り当てられたクライアントシークレット。

接続すると、本製品 はデフォルトブラウザでSalesforce Data Cloud のOAuth エンドポイントを開きます。ログインして、アプリケーションにアクセス許可を与えます。

以下のようにドライバーがOAuth プロセスを完了します。

  • コールバックURL からアクセストークンを取得します。
  • 古いトークンの期限が切れたときは、新しいアクセストークンを取得します。
  • OAuthSettingsLocation にOAuth 値を保存し、接続間で永続化します。
  • Web アプリケーションやヘッドレスマシンを含むその他のOAuth メソッドについては、ヘルプドキュメントを参照してください。

    /etc/odbc.ini または$HOME/.odbc.ini

    [CData SalesforceDataCloud Source] Driver = CData ODBC Driver for SalesforceDataCloud Description = My Description

    これらの構成ファイルの使用方法については、オンラインのヘルプドキュメントを参照してください。

    接続を確立する

    odbc_connect またはodbc_pconnect を呼び出して、Salesforce Data Cloud への接続を開きます。 接続を閉じるには、odbc_close もしくはodbc_close_all を使います。

    $conn = odbc_connect("CData ODBC SalesforceDataCloud Source","user","password");

    接続はodbc_connect で開かれ、スクリプトが終わると終了します。odbc_pconnect メソッドで開いた接続は、スクリプトが終わっても開いたままです。これにより同じクレデンシャルであれば他のスクリプトで接続を共有することが可能です。スクリプト間で接続を共有することにより、システムリソースを節約し、クエリの実行を高速化できます。

    $conn = odbc_pconnect("CData ODBC SalesforceDataCloud Source","user","password"); ... odbc_close($conn); //persistent connection must be closed explicitly

    プリペアドステートメントを作成する

    odbc_prepare を使って、プリペアドステートメントおよびパラメータライズドクエリを作成します。

    $query = odbc_prepare($conn, "SELECT * FROM Account WHERE EmployeeCount = ?");

    クエリを実行する

    Prepared ステートメントをodbc_execute を使って実行します。

    $conn = odbc_connect("CData ODBC SalesforceDataCloud Source","user","password"); $query = odbc_prepare($conn, "SELECT * FROM Account WHERE EmployeeCount = ?"); $success = odbc_execute($query, array('250'));

    Non-Parameterized クエリは、odbc_exec を使います。

    $conn = odbc_connect("CData ODBC SalesforceDataCloud Source","user","password"); $query = odbc_exec($conn, "SELECT [Account ID], [Account Name] FROM Account WHERE EmployeeCount > 250");

    結果の処理

    odbc_fetch_array 関数の結果セット配列としてアクセスします。

    $conn = odbc_connect("CData ODBC Salesforce Data Cloud データ Source","user","password"); $query = odbc_exec($conn, "SELECT [Account ID], [Account Name] FROM Account WHERE EmployeeCount > 250"); while($row = odbc_fetch_array($query)){ echo $row["[Account ID]"] . "\n"; }

    odbc_result_all 関数で、結果セットをHTML テーブルとして表示します。

    $conn = odbc_connect("CData ODBC Salesforce Data Cloud データ Source","user","password"); $query = odbc_prepare($conn, "SELECT * FROM Account WHERE EmployeeCount = ?"); $success = odbc_execute($query, array('250')); if($success) odbc_result_all($query);

    他のサンプルクエリ

    ドライバーがサポートしているSQL の詳細は、ヘルプドキュメントを参照してください。上のサンプルは、PHP community documentation for all ODBC functions をSalesforce Data Cloud 向けに変更したものです。

    Salesforce Data Cloud からPHP へのデータ連携には、ぜひCData ODBC ドライバをご利用ください

    このようにCData ODBC ドライバと併用することで、270を超えるSaaS、NoSQL データをコーディングなしで扱うことができます。30日の無償評価版が利用できますので、ぜひ自社で使っているクラウドサービスやNoSQL と合わせて活用してみてください。

    CData ODBC ドライバは日本のユーザー向けに、UI の日本語化、ドキュメントの日本語化、日本語でのテクニカルサポートを提供しています。

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