Power Apps でSAP Netweaver Gateway のデータを連携利用

この記事では、Power Apps からデータベースのようにリアルタイム接続を行う方法を説明します。

古川えりか
コンテンツスペシャリスト

最終更新日:2025-05-22

この記事で実現できるSAP Netweaver Gateway 連携のシナリオ

こんにちは!ドライバー周りのヘルプドキュメントを担当している古川です。

Microsoft PowerApps は、データに連携するモバイルおよびタブレット向けアプリをドラッグ&ドロップとリッチな関数で実現します。CData API ServerとADO.NET Provider for SAPGateway (もしくは250+ の他のADO.NET Providers)を組み合わせて使い、PowerApps のリモートデータソースへの連携機能を拡張することができます。PowerApps のCommon Data Service に別途データをコピーする必要はありません。CData API Server は、SAP Netweaver Gateway のデータにデータベースのようなアクセスを可能にし、SaaS API やNoSQL をインメモリのSQL-92 エンジンで操作できるようにします。

CData API Server は、Swagger のメタデータ標準をサポートします。Azure App Service、Microsoft Flow、およびPowerApps でSwagger メタデータからのUI 生成やコード生成が可能です。Swagger 定義を使えば、PowerApps からSAP Netweaver Gateway に連携する関数が生成できます。本記事では、それらの関数をPowerApps から使って、リモートのSAP Netweaver Gateway に連携する方法を説明します。

CData API Server とは?

CData API Server

CData API Server は、以下のような特徴を持ったAPI 開発ツールです。

  • あらゆるデータソースからAPI を生成:SQL Server、MySQL、Oracle、PostgreSQL、DB2 などのRDB、Excel、CSV、Google スプレッドシートなどCData の充実したコネクタライブラリを利用できます。
  • 主要なデータ形式に対応:OData、REST、JSON、CSV / TSV など、主要な形式に対応しています。
  • 一元管理でAPI を効率運用:単一の管理プラットフォーム上でAPI の更新、停止、共有が可能です。
  • ノーコードでシンプルな設定:GUI ベースのインターフェースを使用して、複雑なコーディングなしでAPI を作成・セキュアに公開できます。

詳しくは、こちらの製品資料をご確認ください。

API Server の設定

以下のリンクからAPI Server の無償トライアルをスタートしたら、セキュアなSAP Netweaver Gateway OData サービスを作成していきましょう。

CData API Server を使い始める

CData API Server は、オンプレミス型・AWS でのホスティングに対応しています。無償トライアルを提供していますので、自社のニーズにフィットするオプションを選択してお試しください。
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まずは製品の概要を知りたい、という方は5分でCData API Server を体験できる製品ツアーをご利用ください。
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デプロイ

API Server は内蔵のJetty サーバー上で動作します。Windows をお使いの場合は、スタンドアロンサーバーとして起動するか、IIS に組み込んで使用することが可能です。また、お使いのJava サーブレットコンテナにAPI Server のWAR ファイルを配置して実行することもできます。具体的なセットアップ方法については、こちらのヘルプドキュメントをご覧ください。

SAP Netweaver Gateway への接続

Salesforce Connect からSAP Netweaver Gateway のデータを操作するには、まずSAP Netweaver Gateway への接続を作成・設定します。

  1. API Server にログインして、「Connections」をクリック、さらに「接続を追加」をクリックします。 接続を追加
  2. 「接続を追加」をクリックして、データソースがAPI Server に事前にインストールされている場合は、一覧から「SAP Netweaver Gateway」を選択します。
  3. 事前にインストールされていない場合は、コネクタを追加していきます。コネクタ追加の手順は以下の記事にまとめてありますので、ご確認ください。
    CData コネクタの追加方法はこちら >>
  4. それでは、SAP Netweaver Gateway への接続設定を行っていきましょう! 接続設定
  5. SAP Gateway 接続プロパティの取得・設定方法

    SAP Gateway のテーブルにアクセスするには、次の接続プロパティを設定します。

    • URL = お使いの環境のURL、またはサービスの完全URL。例えば、完全URL は次のようになります:https://sapes5.sapdevcenter.com/sap/opu/odata/IWBEP/GWSAMPLE_BASIC/。この例では、環境URL は次のようになります:https://sapes5.sapdevcenter.com。CustomUrlParams プロパティを使用して、追加プロパティを追加します。
    • Namespace = 適切なService Namespace。先ほどの例では、IWBEP が名前空間です。サービスへの完全URL が指定されている場合は任意です。
    • Service = データを取得するサービス。先ほどの例では、サービスはGWSAMPLE_BASIC です。完全URL が指定されている場合は必須ではありません。
    • CustomUrlParams = HTTP リクエストに含まれる必要のある追加プロパティ;例えばsap-client=001&sap-language=EN

    SAP Gateway への認証

    SAP Gateway はBasic 認証、OAuth 2.0 認証、SAP BTP Destination 認証を許可します。

    Basic 認証

    Basic 認証を有効にするには、以下のプロパティを設定します。

    • AuthScheme = Basic
    • User = SAP Gateway へのログインに使用するユーザー名。
    • Password = SAP Gateway へのログインに使用するパスワード。

    上記のプロパティを設定したら、接続の準備は完了です。ローカルデータにアクセスするには、個人の認証情報を使用します。

    他の認証方法については、ヘルプドキュメントの「接続の確立」セクションを参照してください。

  6. 接続情報の入力が完了したら、「保存およびテスト」をクリックします。

SAP Gateway 接続プロパティの取得・設定方法

SAP Gateway のテーブルにアクセスするには、次の接続プロパティを設定します。

  • URL = お使いの環境のURL、またはサービスの完全URL。例えば、完全URL は次のようになります:https://sapes5.sapdevcenter.com/sap/opu/odata/IWBEP/GWSAMPLE_BASIC/。この例では、環境URL は次のようになります:https://sapes5.sapdevcenter.com。CustomUrlParams プロパティを使用して、追加プロパティを追加します。
  • Namespace = 適切なService Namespace。先ほどの例では、IWBEP が名前空間です。サービスへの完全URL が指定されている場合は任意です。
  • Service = データを取得するサービス。先ほどの例では、サービスはGWSAMPLE_BASIC です。完全URL が指定されている場合は必須ではありません。
  • CustomUrlParams = HTTP リクエストに含まれる必要のある追加プロパティ;例えばsap-client=001&sap-language=EN

SAP Gateway への認証

SAP Gateway はBasic 認証、OAuth 2.0 認証、SAP BTP Destination 認証を許可します。

Basic 認証

Basic 認証を有効にするには、以下のプロパティを設定します。

  • AuthScheme = Basic
  • User = SAP Gateway へのログインに使用するユーザー名。
  • Password = SAP Gateway へのログインに使用するパスワード。

上記のプロパティを設定したら、接続の準備は完了です。ローカルデータにアクセスするには、個人の認証情報を使用します。

他の認証方法については、ヘルプドキュメントの「接続の確立」セクションを参照してください。

API Server のユーザー設定

次に、API Server 経由でSAP Netweaver Gateway にアクセスするユーザーを作成します。「Users」ページでユーザーを追加・設定できます。やってみましょう。

  1. 「Users」ページで ユーザーを追加をクリックすると、「ユーザーを追加」ポップアップが開きます。
  2. 次に、「ロール」、「ユーザー名」、「権限」プロパティを設定し、「ユーザーを追加」をクリックします。
  3. その後、ユーザーの認証トークンが生成されます。各ユーザーの認証トークンとその他の情報は「Users」ページで確認できます。

SAP Netweaver Gateway 用のAPI エンドポイントの作成

ユーザーを作成したら、SAP Netweaver Gateway のデータ用のAPI エンドポイントを作成していきます。

  1. まず、「API」ページに移動し、 「 テーブルを追加」をクリックします。
  2. アクセスしたい接続を選択し、次へをクリックします。
  3. 接続を選択した状態で、各テーブルを選択して確認をクリックすることでエンドポイントを作成します。

OData のエンドポイントを取得

以上でSAP Netweaver Gateway への接続を設定してユーザーを作成し、API Server でSAP Netweaver Gateway データのAPI を追加しました。これで、OData 形式のSAP Netweaver Gateway データをREST API で利用できます。API Server の「API」ページから、API のエンドポイントを表示およびコピーできます。

また、CORS を有効にして[Server]とクリックして次のセクションを定義する必要があります。[*]なしですべてのドメインを許可するオプションを選択することもできます。

  1. Access-Control-Allow-Origin:値を[*]またはAPI Server を呼び出すドメインに設定します。
  2. Access-Control-Allow-Methods:値を[GET,PUT,POST,OPTIONS]または使用する必要のあるHTTP メソッドに設定します。
  3. Access-Control-Allow-Headers:[x-ms-client-request-id, authorization, content-type]に設定します。

最後に、URL の一部としてauthtoken を渡すことにより、ユーザーが認証できるようにAPI Server を構成する必要があります。そのために、インストール先のwww/app_data フォルダに移動し、settings.cfg ファイルを変更して[Application] セクションに次の行を追加します。

AllowAuthTokenInURL = true

Swagger メタデータの取得

メタデータを使用してCustom API 接続を作成します。Swagger 定義を取得するには、ブラウザで次の要求を行い、結果のJSON ファイルを保存します。

http://MySite:MyPort/api.rsc/$oas?version=2

API Server を介してSAP Netweaver Gateway に接続

以下のステップで、リモートSAP Netweaver Gateway を検索する簡単なアプリを作成する方法を説明します。

  1. Microsoft Power Apps で、[Custom connectors]をクリックします。
  2. [Create custom connector]をクリックし、[Import an OpenAPI]ファイルを選択します。
  3. コネクタに名前を付け、JSON ファイルを参照して[Continue]をクリックします。
  4. 関連する一般情報を入力し、ベースURL が/api.rsc/@myauthtoken (myauthtoken はconfigure API Server ユーザーのAuthToken) の形式であることを確認して[Continue]をクリックします。
  5. Authentication タイプには[No authentication]を選択します。[Continue]をクリックします。
  6. アクションと参照の定義を確認し、[Create connector]をクリックします。
  7. コネクタをテストするには、新しい接続を作成する必要があります。[Test]をクリックし、[Connections]の下の[New Connection]をクリックして[Create]を選択します。
  8. [Custom connectors]メニューからコネクタに戻り、[Test]をクリックします。ここから使用可能な操作をテストできます。

データソースをPowerApp に接続

以下のステップに従って、PowerApp からSAP Netweaver Gateway に接続します。

  1. Power Apps のメインメニューから[Create an app]をクリックし、オンプレミスまたはクラウドのPowerApp Studio を選択します。
  2. 空のアプリを選択し、携帯レイアウトまたはタブレットレイアウトのどちらかを選択します。
  3. [View]タブで[Data Sources]をクリックし、[Add Data Source]をクリックします。
  4. 作成した接続をクリックしてコネクタをテストします。

ギャラリーの事前設定

以下のステップに従って、SAP Netweaver Gateway を検索できる簡単なアプリを作成します。Power Apps の数式を使用してSAP Netweaver Gateway の行をギャラリーコントロールの行にバインドします。

  1. [View]タブで[Gallery]->[Vertical]をクリックしてギャラリーを追加します。

  2. ギャラリーを選択し、ギャラリー設定の[Advanced]タブでギャラリーの[Items]プロパティをSAP Netweaver Gateway に割り当てます。以下の式を使用すると、SalesOrderLineItems テーブルの例にアクセスできます。

    ForAll(CDataSwaggerAPI.getAllSalesOrderLineItems().value, {myProductID: ProductID, myQuantity: Quantity})
  3. 要素をクリックし、[Text]プロパティ(UI 要素の[Advanced]タブ) をThisItem.myProductID またはThisItem.myQuantity に設定してSAP Netweaver Gateway 列をUI 要素に割り当てます。

    Adding the connection to the layout.

SAP Netweaver Gateway のデータの検索

ギャラリーに表示されるレコードをフィルタリングするには、[Screen]にTextInput を追加し、TextInput の[Text]プロパティをクリアしてギャラリーの[Items]プロパティを以下のような式にます。また、必要に応じてTextInput1 をギャラリーのTextInput コントロール名に置き換えます。

If(IsBlank(TextInput1.Text), ForAll(CDataSwaggerAPI.getAllSalesOrderLineItems().value, {myProductID: ProductID, myQuantity: Quantity}), ForAll(CDataSwaggerAPI.getAllSalesOrderLineItems({'$filter':Concatenate("contains(ProductID,",TextInput1.Text,")")}).value, {myProductID: ProductID, myQuantity: Quantity}))

この式は、API Server がリモートSAP Netweaver Gateway に対して実行するOData クエリを作成し、最初にすべてのレコードをアプリに取り込むことをせずに現在のデータに対して検索が実行されるようにします。 サポートされているOData の詳細については、API Server のヘルプドキュメントを参照してください。

SAP Netweaver Gateway のデータの編集

以下のステップに従って、ギャラリーで選択されたSAP Netweaver Gateway レコードのフィールドを表示する編集可能な画面をロードします。

  1. [Insert]タブで、[New Screen]->[Blank]とクリックし、スクリーンの名前を[Details]に設定します。
  2. ギャラリーを新しいスクリーンに結び付けます。ギャラリーの最初のエントリで矢印ボタンを選択し、[Advanced]プロパティの[OnSelect]フィールドに以下のように入力します。

    Navigate( Details, None )
  3. [Details]スクリーンの[Insert]タブで、[Id]と[Id]値の別のラベルを追加します。[Text]プロパティをBrowseGallery.Selected.Id に設定します。

各カラムについて、以下のことを行う必要があります。Custom API の場合、フォーム要素はAPI Server に対してどのリクエストを作成する必要があるかを検出できないため、データ変更式を手動で書く必要があることに注意してください。

  1. フィールドのラベルを追加します。
  2. [Text]メニューからのテキスト入力を画面に追加し、text プロパティをギャラリーから選択したアイテムの値に設定します。(例: BrowseGallery.Selected.myProductID).

アプリに基本的な更新機能とナビゲーションを提供するには、[Submit]ボタンと[Back]ボタンを追加します。

  1. [Submit]ボタンでOnChange プロパティを以下のように設定します。 CDataSwaggerAPI.updateSalesOrderLineItems(BrowseGallery.Selected.myId,BrowseGallery.Selected.myId,{ProductID:TextInput1.Text,Quantity:TextInput2.Text})
  2. [Back]ボタンの場合は、[OnSelect]フィールドを以下のように設定します。 Navigate( BrowseScreen, None )
Editable fields for a custom API.

これで、モバイルアプリまたはタブレットアプリでSAP Netweaver Gateway を参照、検索、更新できるようになりました。

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