データ変換ツールTranSpeed でSalesforce のデータにアクセスする方法:CData ODBC Driver

by 杉本和也 | 2023年03月06日

こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。

今回はデータ変換ツールTranSpeed とCData ODBC Driver を利用して様々なクラウドサービスとの連携を実現する方法を紹介します。

TranSpeed とは?

TranSpeed はユーザックシステムが提供するノンプログラミングデータ変換ツールです。

https://www.usknet.com/services/ts/

豊富な変換ロジックと様々なRDB、CSVファイルなどに対応しているのが特徴のツールです。

シナリオ

さて、今回の記事ではTranSpeed から Salesforce API に接続していきます。

Salesforce では REST APIが提供されているので、一見連携しやすいように見えますが、SOQLを発行するインターフェースがベースになっており、単純にTranSpeed からは連携することができません。

https://developer.salesforce.com/docs/atlas.ja-jp.api_rest.meta/api_rest/resources_query.htm

例えば、バッチ処理のプログラムなどを開発し、定期的にSalesforce のデータを吸い上げるなどの対応が必要となってしまうでしょう。

そこで今回の記事ではこのボトルネックを「CData ODBC Driver」を活用することで解消します。

https://www.cdata.com/jp/odbc/

TranSpeed ではRDBの取り込み設定という仕組みが標準提供されており、この機能を介してSQL ServerやMySQLなどにアクセスできるようになっています。

そして、実はこの機能が内部的にはODBC が利用されているため、この機能とCDataが提供しているODBC Driverラインナップを組み合わせることで、各種クラウドサービスのAPIにアクセスすることができるようになります。

とは言っても、説明だけではイメージできない部分もあると思うので、実際に連携を試してみましょう。

今回はTranSpeed を通じて、Salesforce からデータを取得し、CSV データとして出力するデータ変換アプリケーションを作成します。

手順

CData Salesforce ODBC Driver のインストール

最初にCData Salesforce ODBC Driver を対象のマシンにインストールします。

以下のURL から30日間のトライアルがダウンロードできます。

https://www.cdata.com/jp/drivers/salesforce/odbc/

インストーラーを入手後、対象のマシンでセットアップを進めていきます。

セットアップが完了すると、以下のようにODBC DSNの接続設定画面が表示されるので、Salesforce への認証に必要な情報を入力します。

プロパティ

設定値

Auth Scheme

Basic

User

Salesforce ログインメールアドレス

Password

Salesforce ログインパスワード

Security Token

Salesforce で取得したトークン

接続完了後、メタデータタブから利用できるテーブル・ビューの情報を確認できます。

ここで予めSalesforce のどのオブジェクト、項目を利用するか確認しておくと良いでしょう。

データベース接続定義の追加

CData Driver の設定が完了したらTranSpeed 側の設定を進めます。

まずはCData ODBC Driver 経由でSalesforce へ接続するための「データベース接続定義」を追加しましょう。

TranSpeed を立ち上げて、「マッピング設定」に移動します。

「データベース接続定義」に移動し「新規」ボタンをクリックします。

「新たにデータベース接続定義を作成する」を選択し「OK」をクリック

先程作成したODBC DSNの情報を指定した接続情報を入力します。入力後、接続テストを実行し、正常に完了したら登録ボタンをクリックして保存します。

プロパティ名

設定値例

備考

接続名

Salesforce

任意の接続名を指定します。

データベースエンジン種別

その他

 

接続方法

Odbc

 

データベース名

Salesforce

 

接続文字列

DSN=CData Salesforce Source

先程作成したODBC DSNの名前をDSN=以降に指定します。

データ変換アプリケーションの作成

ODBC の接続設定を追加したら、実際にデータ変換を行うアプリケーションを作成していきましょう。

マッピング設定の画面から「システム」を選択し、「新規」ボタンをクリックします。

以下のように新しく作成するデータ変換アプリケーションの内容が表示されます。今回はそのままデフォルトで作成を開始します。必要に応じて各種名称を表示すると良いでしょう。

入力データソースの設定

アプリケーション定義画面が表示されたら、まず「入力データソース」を調整していきます。

今回はSalesforceからデータを取得するので、入力データソースのデータ種別で「データベース」を選択します。

データベースを選択後、データベース接続IDとして先程作成したSalesforce への接続情報を指定します。

接続情報の指定が完了したら、対象となるテーブルを指定しましょう。今回はSalesforce の取引先情報となるAccount を指定しました。

テーブル名を入力すると、各項目の「検索」ボタンから対象のフィールドを指定できるようになります。

今回は以下のように項目を指定してみました。

出力データソースの設定

続いて出力データソースを設定します。今回はシンプルにCSVに出力する処理とするため、データ種別で「CSVテキスト」を選択し、以下のように指定を行いました。

項目定義の構成

入力データソースと出力データソースの指定完了後、それぞれのデータソースの仲介の役割となる項目定義を追加します。

今回は出力データソースをもとに構成を行うので「出力読込」を実行し、以下のように項目定義を構成しました。

入出力マッピングの構成

最後に「入力データソース」「項目定義」「出力データソース」それぞれの項目を紐づける「入出力マッピング」を構成します。

以下のような画面が表示されるので、それぞれの項目を紐づけていきましょう。

これでデータ変換アプリケーションは作成完了です。

テスト実行

それでは作成したデータ変換アプリケーションをテスト実行してみましょう。画面左上の「テスト実行」ボタンから動作確認が実施できます。

以下のような画面が表示されるので「実行」をクリックします。

正常に処理が完了すると、以下のように処理件数と完了のメッセージが表示されます。

CSVファイルを確認してみると、以下のようにSalesforce のデータをもとにCSVファイルが生成されていました。

おわりに

このようにCData ODBC Driver を利用することで、各種クラウドサービスを TranSpeed の接続先として利用できるようになります。

また、今回は入力データソースとして利用しましたが、出力データソースとしても対応可能になっています。

CData では Salesforce 以外にもODBC Driver を多数提供しています。Kintone や HubSpot、Sansanなど様々なデータソースをサポートしているので、ぜひ自社で使っているクラウドサービスやNoSQL と合わせて活用してみてください。

ご不明な点があれば、お気軽にテクニカルサポートまでお問い合わせください。

https://www.cdata.com/jp/support/submit.aspx

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