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詳細はこちら →Paylocity のデータを使った動的なReact アプリケーションを作成する方法
CData Connect Server とReact を使用してリアルタイムPaylocity のデータで動的なWeb アプリケーションを構築します。
最終更新日:2023-09-21
この記事で実現できるPaylocity 連携のシナリオ
こんにちは!ウェブ担当の加藤です。マーケ関連のデータ分析や整備もやっています。
今回は、React をPaylocity のデータに連携する方法をご紹介します。React(React.js)は宣言型で高速かつ柔軟な、JavaScript の定番UI 構築ライブラリです。CData Connect Server を使えば、Paylocity を含む多様なSaaS、データベース、外部システムのAPI をノーコードで手軽に生成して、React から接続できます。 この記事では、CData Connect Server をセットアップしてPaylocity のOData API を作成し、Paylocity のデータにリアルタイムで接続できるReact ベースのWeb アプリケーションを作成する方法を説明します。
本記事のReact アプリでは、Paylocity のデータをテーブル形式で取得して、表として出力します。本記事で説明するコードは、こちらからサンプルのReact プロジェクトとしてダウンロードできるので、ローカルの環境ですぐに実行できます。
Connect Server 側の設定
それでは、Connect Server 側の準備から進めていきましょう。まずはConnect Server からPaylocity に接続し、Paylocity のデータをデータベースとして仮想化、OData エンドポイントとして公開します。
Connect Server ユーザーの追加
React からConnect Server 経由でPaylocity に接続するユーザーを作成します。
- [Users]->[ Add]とクリックします。
- ユーザーを設定します。
- [Save Changes]をクリックすると新しいユーザーの認証トークンが発行されるので、保管しておきます。
Connect Server からPaylocity に接続
それでは、Paylocity に接続してOData エンドポイントを生成してみましょう。GUI 上の操作だけでAPI を生成できます。
- Connect Server を開き、「CONNECTIONS」をクリックします。
- 「Available Data Sources」から「Paylocity」を選択します。
- 必要な認証プロパティを入力し、Paylocity に接続します。
Paylocity への接続を確立するには以下を設定します。
- RSAPublicKey:Paylocity アカウントでRSA 暗号化が有効になっている場合は、Paylocity に関連付けられたRSA キーを設定。
このプロパティは、Insert およびUpdate ステートメントを実行するために必須です。この機能が無効になっている場合は必須ではありません。
- UseSandbox:サンドボックスアカウントを使用する場合はTrue に設定。
- CustomFieldsCategory:Customfields カテゴリに設定。これは、IncludeCustomFields がtrue に設定されている場合は必須です。デフォルト値はPayrollAndHR です。
- Key:Paylocity の公開鍵で暗号化されたAES 共通鍵(base 64 エンコード)。これはコンテンツを暗号化するためのキーです。
Paylocity は、RSA 復号化を使用してAES 鍵を復号化します。
これはオプションのプロパティで、IV の値が指定されていない場合、ドライバーは内部でキーを生成します。 - IV:コンテンツを暗号化するときに使用するAES IV(base 64 エンコード)。これはオプションのプロパティで、Key の値が指定されていない場合、ドライバーは内部でIV を生成します。
OAuth
OAuth を使用してPaylocity で認証する必要があります。OAuth では認証するユーザーにブラウザでPaylocity との通信を要求します。詳しくは、ヘルプドキュメントのOAuth セクションを参照してください。
Pay Entry API
Pay Entry API はPaylocity API の他の部分と完全に分離されています。個別のクライアントID とシークレットを使用し、アカウントへのアクセスを許可するにはPaylocity から明示的にリクエストする必要があります。 Pay Entry API を使用すると、個々の従業員の給与情報を自動的に送信できます。 Pay Entry API によって提供されるものの性質が非常に限られているため、CData では個別のスキーマを提供しないことを選択しましたが、UsePayEntryAPI 接続プロパティを介して有効にできます。
UsePayEntryAPI をtrue に設定する場合は、CreatePayEntryImportBatch、MergePayEntryImportBatch、Input_TimeEntry、およびOAuth ストアドプロシージャのみ利用できることに注意してください。 製品のその他の機能を使用しようとするとエラーが発生します。また、OAuthAccessToken を個別に保存する必要があります。これは、この接続プロパティを使用するときに異なるOAuthSettingsLocation を設定することを意味します。
- RSAPublicKey:Paylocity アカウントでRSA 暗号化が有効になっている場合は、Paylocity に関連付けられたRSA キーを設定。
- 「 Test Database」をクリックします。
- [Permission]->[ Add]とクリックし、適切な権限を持つ新しいユーザー(または既存のユーザー)を追加します。
Connect Server にPaylocity OData エンドポイントを追加
Paylocity に接続したら、目的のテーブルのOData エンドポイントを作成します。
- [OData]->[Tables]->[Add Tables]とクリックします。
- Paylocity のデータベースを選択します。
- 使用するテーブルを選択し、[Next]をクリックします。
- (オプション)テーブルの定義を編集して特定のフィールドなどを選択します。
- 設定を保存します。
(オプション)Cross-Origin Resource Sharing (CORS) を構成
Ajax などのアプリケーションから複数の異なるドメインにアクセスして接続すると、クロスサイトスクリプティングの制限に違反する恐れがあります。その場合には、[OData]->[Settings]でCORS を設定することで回避できます。
- Enable cross-origin resource sharing (CORS):ON
- Allow all domains without '*':ON
- Access-Control-Allow-Methods:GET, PUT, POST, OPTIONS
- Access-Control-Allow-Headers:Authorization
設定への変更を保存します。

OData フィードのサンプルURL
Paylocity への接続を設定してユーザーを作成し、Connect Server でOData エンドポイントを作成すると、Paylocity のデータのOData フィードにアクセスできるようになります。 以下は、テーブルにアクセスするためのURL とテーブルのリストです。テーブルへのアクセスについてより詳しくは、Connect Server の「ODATA」ページにある「API」タブの情報を参照してください。URL については、Connect Server インスタンスのURL が必要になります(例えばローカルホストなら、http://localhost:8080/)。React を使用するので、URL の末尾に@json パラメータを追加してJSON 形式でデータを取得します。
Table | URL | |
---|---|---|
テーブル一覧 | CONNECT_SERVER_URL/odata.rsc/ | |
Employee テーブルのメタデータ | CONNECT_SERVER_URL/odata.rsc/Employee/$metadata?@json | |
Employee テーブル | CONNECT_SERVER_URL/odata.rsc/Paylocity_Employee |
標準のOData フィードと同様、フィードにフィルタリング、ソートといった操作を実行したい場合は、$filter、$orderby、$skip、$top などOData URL パラメータを$select クエリに追加することができます。 サポートされているOData クエリの詳細については、ヘルプドキュメントを参照してください。
React でWeb アプリを作る
Connect Server のセットアップが完了したら、Paylocity と連携するReact アプリを作成できます。以下のステップでは、サンプルプロジェクトの.zip ファイルに含まれているReact アプリのソースファイルの内容を説明していきます。
index.html
サンプルReact アプリケーションのトップページです。最小限のHTML とスクリプトファイルの読み込みを行っています。
main.js
このファイルでは、必要なライブラリ、モジュール、React クラスをインポートしています。メインとなるReact クラスのプロパティ(props)もここで定義されます。
そのほか、パッケージの依存関係を定義したpackage.json ファイルとwebpack の設定ファイルが含まれます。
App.jsx
React アプリを作成する上でメインとなるファイルです。このApp クラスで、Connect Server からデータを取得してReact アプリのさまざまなコンポーネントをレンダリングするために必要な関数を定義しています。ここから定義している関数について説明していきます。
constructor
App クラスのコンストラクターです。このうちstate には、Web アプリの構築に使用される動的データが含まれます。また、this でほかのメソッドをバインドすることで、メソッド内でstate を編集することもできます。
constructor(props) { super(props); this.state = { selectedTable: '', selectedColumns: [], tables: [], columns: [], tableData: [], auth:'Basic ' + btoa(props.user + ':' + props.pass), }; this.onTableChange = this.onTableChange.bind(this); this.onColumnChange = this.onColumnChange.bind(this); this.renderTableHeaders = this.renderTableHeaders.bind(this); this.renderTableBody = this.renderTableBody.bind(this); this.getColumnList = this.getColumnList.bind(this); this.getData = this.getData.bind(this); }
componentDidMount
React の仕様に従って、componentDidMount メソッドはrender メソッドの前に呼び出され、コンストラクタの実行後にアプリのstate 変数を更新するために使用できます。 このメソッドでは、テーブルのリストを取得するHTTP リクエストをConnect Server に送信し、tablesとselectedTable の状態変数を設定します。
サンプルでは、getColumnList メソッドを呼び出すと、現在選択されている最初のテーブルで使用可能なカラムのリストが取得されます。
componentDidMount() { Object.assign(axios.defaults, {headers: {"x-cdata-authtoken": this.state.auth}}); axios.get(`${this.props.baseUrl}`) .then(res => { const tables = res.data.value; this.setState({ tables }); this.setState({ selectedTable: tables[0].name}); }) .catch(function (error) { if (error.response) { alert('Code: ' + error.response.data.error.code + '\r\nMessage: ' + error.response.data.error.message); } else { console.log('Error', error.message); } }); this.getColumnList(); }
getColumnList
この関数は、selectedTable パラメータ(パラメータが定義されていない場合はUI で現在選択されているテーブル)に使用できるカラムのリストを取得します。 HTTP リクエストを実行し、応答を解析してcolumnsとselectedColumns の状態を設定します。
getColumnList(selectedTable) { if (!selectedTable) { selectedTable = this.state.selectedTable; } Object.assign(axios.defaults, {headers: {"x-cdata-authtoken": this.state.auth}}); axios.get(`${this.props.baseUrl}/${selectedTable}/$metadata?@json`) .then(res => { let columns = res.data.items[0]["odata:cname"]; this.setState({ columns, selectedColumns: [], }); }) .catch(error => { if (error.response) { alert('Code: ' + error.response.data.error.code + '\r\nMessage: ' + error.response.data.error.message); } else { console.log('Error', error.message); } }); }
renderTableList
この関数は、tables 変数を使用してテーブルを選択するためのHTML ドロップダウンのオプションを作成します。
renderTableList() { let tablesHTML = []; for (let i = 0; i < this.state.tables.length; i++) { let table = this.state.tables[i]; tablesHTML.push(); } return tablesHTML; }
renderColumnList
この関数は、columns 変数を使用してカラムを選択するためのHTML マルチセレクトのオプションを作成します。
renderColumnList() { let columnsHTML = []; for (let i = 0; i < this.state.columns.length; i++){ let column = this.state.columns[i]; columnsHTML.push(); } return columnsHTML; }
renderTable
この関数は、Connect Server から取得したデータを使用してHTML テーブルをレンダリングします。renderTableHeaders() とrenderTableBody() の二つのヘルパー関数を使用して、テーブルヘッダーとデータ行を作成します。
renderTable() { return ( <table> <thead> { this.renderTableHeaders() } </thead> { this.renderTableBody() } </table> ); }
renderTableHeaders
この関数は、selectedColumns 変数を使用してConnect Server からのデータを表示するために使用されるHTML テーブルのヘッダーを構築します。
renderTableHeaders() { let headers = []; for (let i = 0; i < this.state.selectedColumns.length; i++) { let col = this.state.selectedColumns[i]; headers.push(<th key={col}>{col}</th>) } return (<tr>{headers}</tr>); }
renderTableBody
この関数は、tableData 変数とselectedColumns 変数を使用してConnect Server からのデータを表示するために使用されるHTML テーブルのデータ行を構築します。
renderTableBody() { let rows = []; this.state.tableData.forEach(function(row) { rows.push( <tr key={btoa('row'+rows.length)}> {this.state.selectedColumns.map(col => <td key={col}>{row[col]}</td> )} </tr> ) }.bind(this)); return (<tbody>{rows}</tbody>); }
getData
この関数は、Connect Server からデータを取得してselectedColumns 変数を使用した$select パラメータのリストを作成し、selectedTable 変数を使用してデータを要求するテーブルを決定します。 Connect Server によって返されるデータは、tableData 状態変数に格納されます。
getData() { let columnList = ''; columnList = this.state.selectedColumns.join(','); Object.assign(axios.defaults, {headers: {"x-cdata-authtoken": this.state.auth}}); axios.get(`${this.props.baseUrl}/${this.state.selectedTable}/?$select=${columnList}`) .then(res => { const tableData = res.data.value; this.setState({ tableData }); }) .catch(error => { if (error.response) { alert('Code: ' + error.response.data.error.code + '\r\nMessage: ' + error.response.data.error.message); } else { console.log('Error', error.message); } }); }
onTableChange
この関数は、テーブルを選択するためのHTML ドロップダウンの変更イベントを処理します。この関数では、selectedTable 変数が選択された値に設定され、tableData 変数からすべての値がクリアされます。 また、getColumnList 関数を呼び出すと、カラムを選択するためのHTML マルチセレクト要素が更新されます。
onTableChange(event) { const selectedTable = event.target.value; this.setState({ selectedTable, tableData: [], }); this.getColumnList(selectedTable); }
onColumnChange
この関数は、取得して表示するカラムを選択するためのHTML マルチセレクトの変更イベントを処理します。選択するカラムを決定した後、selectedColumns が更新され、tableData がクリアされます。
onColumnChange(event) { let options = event.target.options; let selectedColumns = []; for (let i = 0; i < options.length; i++){ if (options[i].selected){ selectedColumns.push(options[i].value); } } this.setState({ selectedColumns, tableData: [], }); }
render
この関数は、さまざまなHTML 要素のレイアウトと表示を制御します。すべての静的HTML 機能と、動的要素をレンダリングする関数への関数呼び出しを含みます。
render() { return ( <div> <h1>CData Connect Server React Demo</h1> <br/> <label>Select a Table</label> <br/> <select className='tableDropDown' onChange={this.onTableChange}> { this.renderTableList() } </select> <br/> <br/> <label>Select {this.state.selectedTable} Columns</label> <br/> <select className='columnMultiSelect' onChange={this.onColumnChange} multiple> { this.renderColumnList() } </select> <br/> <br/> { this.state.selectedColumns.length > 0 ? <button onClick={this.getData}>Get [{ this.state.selectedTable }] Data</button> : null } <br/> <br/> { this.state.tableData.length > 0 ? this.renderTable() : null } </div> ); }
React アプリを構成
データへの接続を構成してReact アプリのソースファイルを確認したら、React アプリを実行してみましょう。React アプリを実行するには、マシンにnode.js をインストールする必要があります。また、アプリケーションを実行する前に依存関係のモジュールをインストールしてください。
グローバルモジュール
React アプリを実行するには、babel とbabel-cli モジュールをグローバルにインストールします。
- npm install -g babel
- npm install -g babel-cli
プロジェクトのセットアップ
次のステップではReact プロジェクトをセットアップし、package.json ファイルから依存関係のモジュールをインストールします。
コマンドラインで、ソースファイルのあるディレクトリに移動します。
cd ./connectserver-react
-
ディレクトリに移動したら、設定済みのpackage.json ファイルを使用して必要なモジュールをインストールします。
npm install
React アプリを実行
package.json ファイルを作成して必要なモジュールをインストールすれば、React アプリを実行することができます。実行するには、React アプリのディレクトリに移動して以下のコマンドを実行します。
npm start
React アプリが起動すると、タイトルとテーブルを選択するためのドロップダウンメニューが表示されます。テーブルのリストはConnect Server から取得され、Connect Server 構成時にOData エンドポイントとして追加したすべてのテーブルが含まれます。
テーブルを選択すると、カラムのドロップダウンにマルチセレクトメニューが表示され、テーブルに表示するカラムを選択できます。カラムを選択すると、テーブルヘッダーが表示されます。
テーブルとカラムを選択したら「Get [Employee] Data」ボタンをクリックし、Connect Server を介してPaylocity の仮想データベースからデータを取得できます。 HTML テーブルには、ボタンをクリックする前に選択したテーブルとカラムに基づいたデータが入力されます。
おわりに
これで、Paylocity のデータに連携するReact アプリを作成できました。CData Connect Server は30日間の無償トライアルを提供していますので、お気軽にお試しください。Paylocity 以外にも270種類以上のSaaS、データベース、外部システムからのリアルタイムデータに対応しています。