お客様の信頼のための、CData Japan の取り組みについて~CI/CD、日本製品開発、サポートチーム、コンテンツ作成~

by Jonathan Hikita | 2023年01月17日

「CData 製品を使いたいけど、CData の日本オフィスはどんな体制でなにができるの?」という質問を頂くことがあります。CData 日本オフィスはフィールド営業をやっていないので、「CData はよくWeb やSNS では見かけるけど、謎につつまれている」というユーザーの不安もあるのかもしれません。

この記事では、OEM パートナーを含め日本の厳しいユーザーに継続して採用を頂けるようにと構築しているCData 日本オフィスの取り組みことを紹介したいと思います。

CData 日本オフィスの体制・取り組みについて以下をお話します:

1.日本語ビルドでCI/CD を日本の管理でやる

2.日本でも製品開発を行う

3.製品サポートを高いレベルで行える体制を優先

4.コンテンツについては日本の自由度を上げる

1.日本語版製品のCI/CD を日本で回す

ソフトウェアは生き物です。CData では、1年に一度のメジャーバージョンアップの他に、2-3カ月程度でマイナーなバージョンアップを全ドライバー一斉に行っています。ドライバー製品が約250種類(対応SaaS / DB の種類) x 10テクノロジー(ODBC やJDBC など)なので、2500 を超えるDL パッケージになります。これをCData 本社でCI/CD しており、毎日自動テストと夜間ビルドを回しています。

現在、CData Japan ではこれらの全製品に日本語ローカライズ版を提供し、毎日のビルド管理を日本チームが管理しています。機能追加、API バージョン変更への追従、テクノロジーのバージョンアップ、不具合修正など日々の変更をリードタイム1日で安定して日本語版製品に反映することが可能になっています。

CData の全製品ラインを日本でCI/CD

日本語版については、日本でのビジネス開始当初は10製品程度のローカライズからスタートしました。SaaS データソースはロングテールであり、Salesforce、Dynamics365、SharePoint、Google スプレッドシートあたりをカバーすれば多くのユーザーのニーズを満たせるという考えでした。しかし、日本のユーザーからは「英語版のXX のドライバーを日本語版としても提供してほしい」、OEM パートナーからも「なぜ日本語版のほうがデータソースが少ないのか」という依頼をいただきました。実際日本では使われていないと考えていたQuickBooks のような英語圏の会計ソフトなども日本で購入のお客様が少なからずいらっしゃいます。

結果として1年後には英語版で対応しているデータソースをほぼすべて日本語版で提供することとなりました。そのころは英語版の対応データソース数が50-60ぐらいでした。ローカライズは、完璧を目指さず(実際にすべての翻訳をいれたら50-60データソースで何年もかかる)、重要度が高い、スタートメニュー、データソースへの接続・認証、プロパティを優先して翻訳を行いリリースをしました。他の部分は順次日本語に置き換えた形です。

2016-2018年ころに、CData の対応データソースが2-3年の間に50→200超まで急激に増加しました。そうなるとローカライズビルドのセットアップ作業を日本で行うことでしかキャッチアップができなくなります。アメリカからローカライズの技術面を担当していたエンジニアを3カ月程度日本に出張してもらい、日本で製品のファイル単位でのローカライズセットアップ作成ができる環境を整えました。日本でのローカライズを開始して2年が経つ頃には、英語版のソースコードへの変更を日本のローカライズ担当に全量通知し、日本で変更の翌日には変更内容を日本語版ビルドに反映させられることが可能になりました。

ユーザーへの価値

「提供バージョンが英語版と日本語版で同じ」という点が重要です。毎日テスト、ビルドを行っていますが、リリース版としてWebsite に上げられるビルドはリリース向けのテストを経ている安定版です。もしローカライズのリードタイムが長いとオリジナルの英語版と日本語版でバージョンに差異がでてしまいます。するとWeb コンテンツでUS のコンテンツを転用しにくくなります。また、テクニカルサポートでもUS 本社のチームに日本からエスカレーションする場合でも製品のバージョンが合っていないとスムーズな事象再現などができません。ユーザーに最新の情報を提供する、スムーズなテクニカルサポートを提供するためには、日本語版製品のCI/CD が必須です。

「機能追加や修正にローカライズロスによるタイムロスがない」こともユーザーのメリットです。ドライバーでは絶えず基底となるSaaS API に機能追加があり、ユーザーからも新しいAPI オブジェクトへの対応、機能改善、(残念ながら)不具合修正の依頼があります。海外製品へのそのようなエスカレーションでは、数か月はかかるという印象を持たれている方も多いと思います。CData では、実際の開発さえ完了すれば、日次で安定的にビルドができており、テストを経て早いときには翌週にも修正ビルドを提供しています。

2.日本でも製品開発を行う

CData Japan では、米国本社の製品を販売・サポートするだけでなく、kintone やPCA などの日本固有のSaaS 向けのドライバーを日本で開発・管理しています。合計100種類の日本SaaS に対応しています!

SaaS マーケットもユニークな日本で、国産SaaS 向けのドライバーを開発

CData では、250種類以上のSaaS / DB に対しSQL ベースの標準ドライバーを提供しています。Salesforce、SharePoint、SAP、Google BigQuery などのグローバルなエンタープライズ向けのデータソースを広くカバーしています。でも実はCData では、多くの日本固有のSaaS 向けのドライバーも提供しています。

kitone、Garoon、スマレジ、Sansan、PCA 会計 / 商魂・商管、Backlog、MoneyForward、eSales Manager、Yahoo! 広告、Yahoo! DS API、Yahoo! ショッピング、Autify、B-EN-G Business b-ridge、GMO MakeShop、au Pay Market、ポンパレモールなど多くの日本国産のSaaS ドライバーを開発・リリースしてきました。

ReadOnly のドライバー・Sync コネクタであれば追加で70種類以上のSaaS をProfile としてカバーしています。

国産SaaS 向けのProfile

製品開発をすることでセールス拠点ではなくフルスタックな拠点に

日本で製品開発を部分的に行うことで、エンジニアの製品理解を高めることができます。CData は開発ツールですので、サポートエンジニアはアプリケーション開発の経験者ばかりです。彼らに実際に顧客に使ってもらう製品を開発・テスト・リリースしてもらうことで、製品への理解を深めてもらうことができていると思います。

また、「営業拠点ではなく、フルスタックなソフトウェアベンダーの拠点なんだ」という気概というようなものも重要と感じます。CData Japan は仙台という僻地(すいません)に所在していますが、U ターンやリモートワークを含めとても優秀なエンジニアを惹きつけることができています。

3.製品サポートを高いレベルで行える体制を優先

CData Software はグローバルでも開発者が8割以上というソリッドなテック企業です。ほぼすべてのメンバーが製品にどっぷりと関わっている風土です。日本でもはじめの数年は採用はエンジニアのみという偏り方でチームを構築しました。製品の使い方、製品構造、基底となる外部SaaS のAPI、ユーザーがドライバーを使用するBI、ETL、ノーコードツールまでを広く・深く理解したスーパーマンのようなエンジニアチームが皆さまのサポートをしています。

日本でもソースコードにアクセスする高いレベルのサポートチーム

CData の製品のユーザーは、アプリケーション開発者、IT Pro(市民開発者)、BI やETL ベンダーの開発部隊(OEM)とエンジニアが多いです。当然、サポートに寄せられる質問も細かいクエリ仕様であったり、「どうやったらこれが実現できるか」というレベルの高いものになります。そのようなユーザーのサポートニーズに応えるために、エンタープライズアプリケーションの開発経験の豊富なメンバーでチームを構成しています。

日本でも製品にソースコードレベルでアクセスすることができ、大半のサポート案件には日本チームで回答ができるようになっています。もちろんUS およびグローバルの開発チームにエスカレーションすることもありますが、事象の再現などを日本でしっかりと行った上で、エスカレーションを行うため、スピーディな対応が得られます。

プロダクトチームの一員としての機能追加の判断

グローバル製品チームからは、プロダクトチームの一員としての考え方を要求されます。特定のユーザーからの機能追加・改修のリクエストには、リクエストをそのままグローバルチームに伝えるのではなく、製品コンセプトや他の大多数のユーザーへの影響を考えて、採用する/しない、採用するにしてもどのような仕様で実装するかなどを日本側で固めてから伝えることが求められます。

このような高いレベルのグローバルチームとのやり取りの中で個々のエンジニアが「プロダクトスペシャリスト」としてユーザーに対応ができるようになります。

4.コンテンツについては日本の自由度を上げる

Web サイトコンテンツは日本で作成可能

Web サイトやブログなどのコンテンツは日本チームに内容は一任されています。エンジニア中心のチームを作っていること、チームメンバーがグローバルなプロダクトチームの一員として動いていることから、本社検閲無しでコンテンツの変更や追加が認められています。もちろん製品はグローバルで同じものですし、Web サイトの仕組みなどは同じですが、個々のメッセージは日本のマーケットに合わせてベストなものを日本のチームが判断して作成しています。

CData Japan で作っているCData 記事検索ツール

日本モデルのテックブログでのユーザー獲得がグローバルモデルに

テックブログの執筆も日本で力を入れてきました。データ連携製品は、プッシュ型では売れない製品です。基底となるSaaS やDB を使っていて「あ、これを連携したい」と思ったときにはじめてデータ連携を調べはじめます。そのため、CData ではWeb 上にデータ連携のコンテンツを多く作成し、「検索すればCData での実現のテック記事が出てくる」というモデルを目指しています。対応SaaS 250 種類 x ツール(BI、ETL、ノーコードなど)150種類で35,000 以上のナレッジベース(KB)記事があるほかにも、ユーザーのユースケースに近い記事を書いています。

CData では、サポートエンジニア、プリセールス、セールス、マーケ、バックオフィスを含め全員が何らかの形でコンテンツ作成をしています。さすがにWebsite に直接投稿がはばかられた(実はWebsite へのHTML ベースでの記事のコミットが面倒だった)こともあり、日本チームではhatena ブログを使ってテックブログを書いていました。日本からの技術記事は、シナリオ記事、API の利用の手引き、API の新機能のドライバーでの使い方など多岐にわたり、多くの記事はUS 本社でも英語に翻訳されてコンテンツ化されました。追認・追従する形でUS 本社でもテックブログを書く仕組みが作られ、自社Web サイト内で簡単にテックブログを書けるようになりました。

ユーザーからのサポートや製品に関連して調べた内容は、自分の頭にあるだけでなく、記事としてアウトプットすることで「N倍化」をすることができることが重要です。今後もホットな情報を常にマーケットにお届けします。

まとめ

このように、ユーザーに継続的にデータ連携用のコネクタを利用いただけるよう、製品のCI/CD、高いレベルのエンジニアチームの構築、コンテンツの充実化を行っています。対面で見えるところではない点が多いですが、しっかりとしたポリシー・体制で日本ビジネスを運営しておりますので、安心してCData 製品を末永くご利用ください。

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