Blazor でSalesforce のデータにリアルタイムで連携するアプリを構築

ASP.NET Core Blazor C# でSalesforce にSQL でクエリ。

杉本和也
リードエンジニア

最終更新日:2021-11-03

この記事で実現できるSalesforce 連携のシナリオ

こんにちは!リードエンジニアの杉本です。

Blazor は、.NET を使って対話型のクライアント側Web UI を構築するためのフレームワークです。JavaScript の代わりにC# を使って、UI を作れるところが魅力です。また、既存の.NET ライブラリや.NET エコシステムを使うことができる利点があります。

CData ADO.NET Provider for Salesforce は、LINQ やEntity Framework などの標準のADO.NET インターフェースを使ってSalesforce を操作可能にします。Blazor が.NET Core 対応をしているため、Server Side Blazor からADO.NET Provider を使うことができます。この記事では、Server Side Blazor からSalesforce に接続して直接SQL クエリを実行する方法を説明します。

Blazor はADO.NET Provider の利用が可能

CData ADO.NET Provider for Salesforce のインストール

CData ADO.NET Provider は、通常であればRDB に接続するフレームワークである ADO.NET DataAdapter やLinqToSQL(もしくはDapper などのORM を挟んでもいいです)であり、Salesforce のデータへもRDB と同感覚でアクセスが可能になります。

CData のWebsite からProvider をダウンロードして、マシンにインストールします。NuGet からインストールすることも可能です。Salesforce ADO.NET Data Provider で検索してください。

NuGet でADO.NET Salesforce Provider をインストール

Blazor でSalesforce にデータ連携するアプリを構築

Blazor にADO.NET Provider for Salesforce を接続

  • Visual Studio を立ち上げて、Blazor アプリのプロジェクトを作成します。
  • Blazor アプリを作成
  • ソリューションエクスプローラーで「依存関係」から右クリックで「プロジェクト参照の追加」をクリック。
  • 参照マネージャーが開くので、「参照」ボタンをクリックして、先ほどインストールしたADO.NET Provider の.dll を選択します。「C:\Program Files\CData\CData ADO.NET Provider for Salesforce 2019J\lib etstandard2.0」内のSystem.Data.CData.Salesforce.dll」を参照に選びます。
  • ADO.NET for Salesforce の.dll をBlazor アプリから参照

Blazor でSalesforce のデータをSELECT

サンプルプロジェクトの「Page」→「Index.razor」を開きます。

以下のコードを書きます。使っているクエリはおなじみの標準SQL です。Salesforce 固有のAPI を書かなくてもRDB と同感覚でSQL が書けるところがADO.NET Prover for Salesforce の強味です。

      @page "/"
      @using System.Data;
      @using System.Data.CData.Salesforce;

      <h1>Hello, world!</h1>

      Welcome to your Data app.

      <div class="row">
          <div class="col-12">

              @using (SalesforceConnection connection = new SalesforceConnection(
                "User=username;Password=password;SecurityToken=Your_Security_Token;"))
              {
                  var sql = "SELECT Contact.Name, SUM(Account.AnnualRevenue) FROM Contact, Account GROUP BY Contact.Name";
                  var results = new DataTable();

                  SalesforceDataAdapter dataAdapter = new SalesforceDataAdapter(sql, connection);
                  dataAdapter.Fill(results);

                  <table class="table table-bordered">
                      <thead class="thead-light">
                          <tr>
                              @foreach (DataColumn item in results.Rows[0].Table.Columns)
                              {
                                  <th scope="col">@item.ColumnName</th>
                              }
                          </tr>
                      </thead>
                      <tbody>
                          @foreach (DataRow row in results.Rows)
                          {
                              <tr>
                                  @foreach (var column in row.ItemArray)
                                  {
                                      <td>@column.ToString()</td>
                                  }
                              </tr>
                          }
                      </tbody>
                  </table>
              }
          </div>
      </div>
    

Salesforce 接続プロパティの設定方法

標準認証の設定

Salesforce への接続には、以下の3つの認証方式が利用可能です。標準的な認証方式では、以下の情報が必要となります。

  • ユーザー名
  • パスワード
  • セキュリティトークン

セキュリティトークンの取得方法については、セキュリティトークン取得手順をご参照ください。

OAuth 認証の設定

ユーザー名とパスワードによる認証が利用できない(避けたい)場合は、OAuth 認証を使用することができます。

SSO(シングルサインオン)の設定

IDプロバイダー経由でのシングルサインオンを利用する場合は、以下のプロパティを設定してください。

  • SSOProperties
  • SSOLoginUrl
  • TokenUrl

詳細な設定手順については、ヘルプドキュメントの「はじめに」セクションをご確認ください。

プロジェクトをリビルドして実行します。このようにSalesforce からデータを直接取得し、HTML テーブル形式にレンダリングしています。

Blazor アプリからSalesforce のデータをクエリ

もちろんSaaS データソースへの接続の場合には、RDB 向けのドライバーと違い最終的にはHTTP リクエストが行われるので、サーバーサイド Blazor としてサーバーサイドから実行されるのか、クライアントサイド Blazor として、実行中のブラウザからHTTPリクエストが行われるのかの違いはあります。そのあたりはネットワークやプロキシの設定として注意が必要でしょう。設定はコード内の接続プロパティで可能です。

まとめ

このようにサーバーサイドBlazor アプリから簡単にADO.NET Provider を使ってSalesforce にリアルタイムでデータ取得を行うアプリを作ることができました。Blazor が.NET Core、フレームワークのツール群を使えるというメリットを活かすことができます。今回はSELECT * でしたが、フィルタリングやJOIN も可能です。INSERT、UPDATE、DELETE も標準SQL で書くことができます。是非、30日の無償評価版でシンプルかつパワフルなADO.NET Provider でのサーバーサイドBlazor 連携をお試しください。

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