帳票作成ツールPaplesReports を使って、Box 上にアップされたCSV ファイルから帳票を自動生成する：CData Arc

杉本和也 | 2023年02月06日

こんにちは。CData Software Japan リードエンジニアの杉本です。

本記事では帳票作成ツールPaplesReports とCData Arc を組み合わせてBox 上のCSVファイルから自動的に帳票を作成する方法を紹介します。

PaplesReports とは？
CData Arc とは？
この記事のシナリオ
事前準備：CData Arc 製品のインストールとナレッジ
事前準備：PaplesReports
事前準備：Box
連携フローの作成
Box コネクタの設定
Script コネクタの設定
連携フローの実行
この記事で紹介したフロー（テンプレート）
おわりに

PaplesReports とは？

PaplesReports は日鉄日立システムソリューションズ株式会社が提供するCSVデータを元にした帳票を手軽に作成できる帳票作成ツールです。

https://paplesreports.nhs.co.jp/

以下のように専用のツールを使って、ドラッグ・アンド・ドロップで簡単に帳票を作成することが可能です。

作成した帳票はCSVデータをもとにコマンドや専用のAPIを使って生成することができるようになっています。

CData Arc とは？

CData Arc は、CData 製品の中で「自動化/Automate」を担うデータ連携ツールです。「B2B 連携をもっとシンプルに」をコンセプトに、ファイル連携 & DB 連携 & API 連携といったB2B 連携に必要なすべてをノーコード・ローコードでつなぐことができるプラットフォームです。

https://www.cdata.com/jp/arc/

この記事のシナリオ

この記事ではBox 上にアップされた帳票の元になっているCSV（TSV）ファイルをダウンロードし、PaplesReports のコマンドで自動的にPDFを生成するCData Arc のフローを紹介します。

なお、CData Arc はBox 以外にも様々なクラウドストレージのコネクタを提供しています。

Amazon S3 やOneDrive、SharePoint、もしくはFTPサーバーなど経由でファイルを受信して処理することも可能です。

事前準備：CData Arc 製品のインストールとナレッジ

事前にCData Arc を任意の環境にインストールしておきます。

以下のリンクから30日間のトライアルが取得できます。
https://arc.cdata.com/jp/trial/

CData Arc のインストールはこちらを参考にしてください。
https://www.cdata.com/jp/blog/arcesb-install-windows

CData Arc を使い始めるときは、こちらも参考にしてください。
https://arc.cdata.com/jp/start/

CData Arc に関するナレッジは、こちらにまとめています。あわせて参考にしてください。 https://arc.cdata.com/jp/kb/

事前準備：PaplesReports

事前準備としてPaplesReports 側の環境を準備します。

今回は「C:\Paples5j\PaplesReports」にPaplesReports の実行ファイルなどを配置しました。

また、対象とする帳票テンプレートおよびクエリは事前にPaplesReports に含まれる以下のファイルを対象としました。

・見積書_Q.qry
・見積書_F.frm

事前準備：Box

対象のファイルはBox のSample というフォルダーに配置される想定で進めます。ファイルはPaplesReports のサンプルデータに含まれる以下のファイルを対象としました。

・見積書_D.tsv

連携フローの作成

それでは実際に連携フローを作成していきます。このシナリオで作成する連携フローは以下のような流れになっています。

コネクタ

内容

Box

Box の所定のフォルダから定期的にファイルをダウンロードします。

Script

受信したファイルをもとにPaplesReports の帳票を生成する実行ファイルである「paples-reports.bat」を実行し、所定のフォルダにPDFを生成します。

Box コネクタの設定

フローの起点としてBox コネクタを指定します。Box コネクタはファイルのアップロード・ダウンロードどちらにも利用が可能です。

Box コネクタを配置したら「接続」をクリックして、任意のアカウントでBox にログインし、CData Arc に対するアクセス許可を行います。

接続が完了したら、ファイルをダウンロードする元となるフォルダパスを「受信：リモートフォルダ」に指定しましょう。必要に応じてダウンロードするファイルをフィルターする「ファイルマスク」も指定できます。

Script コネクタの設定

続いて受信したファイルをもとにPaplesReports の帳票を生成する実行ファイルである「paples-reports.bat」を実行するためのScript コネクタを準備します。

Scriptコネクタは今回のユースケースのように、batファイルを実行したり、APIリクエストを発行することができる自由度の高いコネクタです。

Arc Script と呼ばれる独自のスクリプト言語を利用することで利用できます。

こちらで利用しているArc Script について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。

https://arc.cdata.com/jp/kb/articles/arcscript-quickstart.rst

今回は以下のサンプルスクリプトを利用して、接続してみてください。

frameName、queryName、outputNameの指定を調整することで、任意の帳票生成を行うことができます。なおファイル名には接尾辞としてGUIDを指定するような記載にしています。

<!-- NOTE: Do not edit arc:info -->
<input name="ConnectorId" desc="The id of this connector." type="text"><input name="WorkspaceId" desc="The workspace of this connector." type="text"><input name="MessageId" desc="The message id." type="text"><input name="FilePath" desc="The path of the file being processed." type="text"><input name="FileName" desc="The name of the file being processed." type="text"><input name="Attachment#" desc="The path of the attachment being processed." type="text"><input name="Header:*" desc="The message headers of the file being processed." type="text"><output name="Data" desc="The data that will be written to the file in the Receive folder."></output><output name="Encoding" desc="The encoding that will be used to write the file in the Receive folder."></output><output name="FileName" desc="The name of the output file in Receive folder."></output><output name="FilePath" desc="The path of file that will be written to Receive folder."></output><output name="Header:*" desc="The message headers of the file being written."></output>

<api:set attr="frameName" value="見積書_F.frm"></api:set>
<api:set attr="queryName" value="見積書_Q.qry"></api:set>
<api:set attr="outputName" value="C:\Work\見積書1_[guid()].pdf"></api:set>

<!-- Execute Batch File -->
<arc:set attr="Name" value="C:\\Paples5j\\PaplesReports\\Bin\\paples-reports.bat"></arc:set>
<arc:set attr="Arguments" value="-f [frameName] -q [queryName] -dp [FilePath] -o pdf -op [outputName]"></arc:set>
<arc:call op="sysExecute" out="output">
</arc:call>