CData Google BigQuery DriverでBulk Updateを実行する方法

by 浦邊信太郎 | 2021年11月10日

CData Google BigQuery DriverはUpdateをバッチで実行するBulk Update機能をサポートしています。 Bulk Updateは逐次のUpdate処理と比較して複数レコード更新のパフォーマンスが向上します。 本記事ではCData Google BigQuery DriverでBulk Updateを実行する方法を説明します。

1. Bulk Updateに必要な設定

Bulk Updateにはテーブルに対する主キーの設定と、バルクモードの設定が必要です。

1.1 主キーの設定

Bulk Updateの対象テーブルには主キーが必要ですが、Google BigQueryのテーブルには主キーの設定はありません。 そこで、ドライバの接続プロパティPrimaryKeyIdentifiersで各テーブルの主キーとして動作するカラムを指定します。

主キー設定のフォーマットは以下の通りです。

<テーブル名>=<主キーのカラム名(複数設定可)>

設定例を以下に示します。

  • Table1=Key : Table1テーブルのKeyカラムを主キーとする
  • Table1=Key1,Key2 : Table1テーブルのKey1カラムとKey2カラムを複合主キーとする
  • *=Key : 全テーブルのKeyカラムを主キーとする

複数のテーブルに対して指定する場合、以下のように各テーブルの主キー設定の文字列をセミコロン(;)で区切ってください。

Table1=Key;Table2=Key1,Key2;Table3=Code

接続プロパティでデータセットID(DatasetId)を指定していない場合は、テーブルのデータセットを区別するために以下のようにテーブル名にデータセットIDを付与してください。

DatasetA.Table1=Key;DatasetA.Table2=Key1,Key2;DatasetB.Table3=Code

1.2 Insert Modeの設定

CData Google BigQuery Driverはバルクデータを扱うインタフェース(バルクモード)を選択できます。 選択できるバルクモードについてはこちらを参考にしてください。

Bulk Updateが可能なバルクモードはUploadGCSStagingです。 バルクモードはInsert Modeプロパティで設定します。 Bulk Updateを行う際にはこれをUploadまたはGCSStagingに設定してください。

2. Bulk UpdateのSQL構文

Bulk Updateは一時テーブルを利用し、複数のUpdateクエリをまとめて発行します。 一時テーブルに対してInsert文でキーと更新する値を挿入し、最後にUpdate文で一時テーブルの値を入力します。

ここでは、以下の3つのUpdate文を実行する例を示します。

逐次実行 (Update)

UPDATE Items SET name = 'item1', qty = 10 WHERE id = 1;
UPDATE Items SET name = 'item2', qty = 15 WHERE id = 2;
UPDATE Items SET name = 'item3', qty = 18 WHERE id = 3;

これをBulk Updateで実行すると以下のようなSQL文になります。

一括実行 (Bulk Update)

--- 一時テーブルへの更新値の設定
INSERT INTO Items#TEMP (id, name, qty) VALUES(1,'item1',10);
INSERT INTO Items#TEMP (id, name, qty) VALUES(2,'item2',15);
INSERT INTO Items#TEMP (id, name, qty) VALUES(3,'item3',8);

--- 一時テーブルの値を展開してBulk Updateを実行
UPDATE Items(id, name, qty) SELECT id, name ,qty FROM Items#TEMP;

一時テーブルの名前は更新対象のテーブル名に#TEMPを付与した名前を設定してください。 また、一時テーブルはセッションがクローズするまでデータがメモリに保持されます。 同一のセッションで同じ名前の一時テーブルを利用する場合は以下のように内容を削除してからInsertを行ってください。

DELETE FROM Items#TEMP;

Bulk Update構文の詳細については以下ヘルプを参考にしてください。

https://cdn.cdata.com/help/DBG/jp/jdbc/pg_updateselect.htm

3. Bulk Update実行例

それでは実際のデータでBulk Updateを試してみます。

テストデータとして以下のProductsテーブルを用意しました。 このテーブルは製品のId、コード、名前を保持しています。

Productsテーブル

id code name
1 P001 Product 001
2 P002 Product 002
3 P003 Product 003

今回はこのテーブルに対して、製品コードをキーとして製品名の値を変更します。 具体的には、コード「P002」の製品名を「Product A」、「P003」の製品名を「Product B」に変更します。 これを逐次実行すると以下のようなSQLになります。

UPDATE Products SET name = 'Product A' WHERE code = 'P002';
UPDATE Products SET name = 'Product B' WHERE code = 'P003';

それではこれをBulk Updateで実行してみます。

接続プロパティの設定

はじめに接続プロパティを設定します。 InsertModeはデフォルトでStreamingのため、これをUpload(GCSStagingでも可)に設定します。 また、接続プロパティのPrimaryKeyIdentifiersでcodeを主キーに設定します。

以下のプロパティ設定を接続文字列に追加します。

  • InsertMode=Upload
  • PrimaryKeyIdentifiers="Products=code"

SQLの実行

上記設定で接続し、Bulk Upsertのクエリを実行します。

INSERT INTO Products#TEMP(code, name) VALUES('P002','Product A');
INSERT INTO Products#TEMP(code, name) VALUES('P003','Product B');
UPDATE Products(code, name) SELECT code, name FROM Products#TEMP;

上記SQLを実行すると、以下のようにデータが更新されているのが確認できます。

id code name
1 P001 Product 001
2 P002 Product A
3 P003 Product B

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