Dynamics 365 ベースのTechnosoft Automotive のデータ連携の強みとCData の利用シナリオ

by Jonathan Hikita | 2023年11月30日

2023年にTechnosoft Automotive という車のディーラーマネジメントシステム(DMS)の会社が日本に上陸しました。車のディーラー向けにCRM とERP を合わせた機能を提供してくれるものです。CRM やERP の導入やリプレースとなると気になることのひとつに「データ連携」があります。この記事では、Technosoft Automotive Solution のデータ連携性は便利なのか?そして、データ連携のプロであるCData がどのようにTechnosoft Automotive のデータ連携を拡張するのかを紹介します。

本記事はCData Advent Calendar 2023 の1日目の記事です:https://qiita.com/advent-calendar/2023/cdatasoftware

また、本内容はTechnosoft Automotive の11月24日に行われたセミナーで発表されました:https://dx365jp.com/2023/11/25/tas-seminar-microsoftjapan/

Technosoft Automotive とは

Technosoft Automotive(https://www.technosoftautomotive.com/ja-jp/)は、シンガポール本社の車のディーラーマネジメントシステム(DMS)です。すでにアジア・欧州をはじめグローバルですばらしい実績を持つDMS で、2023年には日本拠点が開所されて、日本の自動車メーカーとの協業、日本のディーラーへのサービス提供をはじめています。

Technosoft Automotive、「Dynamics 365」ベース製品で日本に本格参入

データ連携の観点で見るTechnosoft Automotive

では、CRM、ERP 的な要素を持つTechnosoft Automotive の導入時のポイントはどのようなものでしょうか?とりあえずAI に聞いてみようということで聞いてみると「データ連携」が1つのポイントになっています。やはり、連携は大事!

CRM、ERP 導入のポイントの一つはデータ連携

では「統合性(データ連携)」はどのように考えればいいのでしょうか?ここではデータ連携を「製品内の機能の包括性」、「プラットフォーム」、「サードパーティ連携エコシステム」、「ユーザーによる地力実装」というレイヤーに分けて評価をしていきたいと思います。

データ連携のしやすさをレイヤーに分けて把握

  • 製品内の機能の包括性:製品が単一機能なのか、それとも関連する機能を包括的に提供しているのか。CRM と連携する会計への連携や受発注と在庫などの機能と考えてください。
  • プラットフォーム:Microsoft、AWS、GCP、Salesforce などのプラットフォームは、プラットフォーム内にBI、ETL、ノーコードローコードアプリ開発、DWH などの機能を提供していることが多いです。そのようなプラットフォームはサービスの連携を大きく楽にしてくれます。
  • サードパーティ連携エコシステム:API を提供しているSaaS は多いですが、データ連携ツール、iPaaS、BI、ノーコードアプリ開発ツールなどがその特定のSaaS のAPI 向けのコネクタを用意してくれているかはSaaS データの連携利用の大きなポイントです。デフォルトで連携をしてくれているツール・ミドルウェアが多ければ、ユーザーは自力で連携実装をする必要がないためです。
  • ユーザーによる自力での連携:API があるならユーザーがAPI コーディングでの実装を頑張ればデータ連携はもちろん可能です。

このような評価軸は業務SaaS のデータ連携のしやすさをはかるには汎用的に使えるフォーマットと思います。例えばですが、単一機能の新しいSaaS であって、どこのプラットフォームにも載っていないものは、プラットフォームの力やサードパーティの連携エコシステムがないため、製品が提供する機能以外の部分はすべてユーザーがAPI コーディングで連携を実装する必要があり、データ連携は相当頑張らないといけないぞ、ということになります。

単一機能の新しいサーズの場合

では、Technosoft Automotive Solution のデータ連携のパワーを見ていきましょう。

Technosoft Automotive Solution の包括性

Technosoft Automotive Solution は、製品内の提供機能のカバレッジはとても広いです。セールス管理のみならず、顧客タッチポイントであるアプリ、E コマース、マーケティング、カスタマーサービス、データ分析・ビジュアライズ、会計まで幅広いモジュールを用意しています。つまり、すべてをTechnosoft Automotive でまかなうのであれば、データ連携はTechnosoft Automotive 内で行ってくれるのでユーザーはデータ連携に苦労することがありません。

Technosoft 自体の提供機能カバレッジは広い

Dynamics 365、Power Platform という巨人の肩に乗る

Technosoft Automotive Solution は、マイクロソフトのDynamics 365 プラットフォームで提供されています。それにより、ノーコードアプリ開発のPower Apps、RPA・業務自動化のPower Automate、データ分析のPower BI、Office / Outlook 連携、そしてCopilot などのAI 昨日など多様な機能を自分でAPI コーディングを行わずにTechnosoft と連携して使うことができます。Technosoft さんのセミナーでも多様なPower Platform 連携機能をデモしていただきまして、びっくりです。まさにプラットフォーマーであるマイクロソフト社の「巨人の肩に乗る」戦略で、自分だけでは見えない景色を見て、大股の巨人のスピードで周辺エコシステムを使うことができます。Dynamics 365 ベースの提供の素晴らしいところです。

Microsoft Platform の外部エコシステム

次にマイクロソフトの外のエコシステムについてです。Technosoft Automotive Solution は、Dynamics 365 ベースの製品ですので、Dynamics 365 が提供するAPI で接続することが可能です。Dynamics 365 はグローバルでも日本でも多くのユーザーが利用するシステムであり、周辺エコシステムが充実しています。たとえば、BI ツールではTableau やウイングアーク1st のMotionBoard が、データ連携やiPaaS では、Informatica、Google Apigee、ASTERIA Warp など多くのツールがDynamics 365 データへの連携機能を提供しています。ツール側にネイティブの連携コネクタがあることで、ユーザーは自分でAPI コーディングでの連携実装をすることなく、ツールからDynamics 365(つまりTechnosoft Automotive Solution)のデータをツールから利用することができます。この「すでに接続できるエコシステムがあること」はとても大きな価値です。

実はそういったツールベンダーの多くにCData がDynamics 365 を含めたデータ連携コネクタを提供しております(https://www.cdata.com/jp/company/partners.aspx)。

Dynamics 365 の外部エコシステム

CData はさらにその外側の連携をサポート

ここまでの内容で、Technosoft Automotive Solution は日本では新規参入のサービスであるにも関わらず、自社の包括的な機能パッケージ、Power Platform、Dynamics 365 API の外部エコシステムが使えることから多くの連携ニーズでは、ユーザー自身がAPI での連携実装をする必要がないという極めて便利なサービスであることが理解できます。

とはいっても、日本のユーザーによる連携ニーズはその外にも存在するので、CData の連携ソリューションでそのような連携を簡単に実現することが可能です。

CData はその外の連携を拡張

CData によるTechnosoft Automotive の連携拡張

では、CData による連携ニーズへのソリューションをいくつか例を挙げながら見ていきましょう。

ツール連携

一つ目は、ツールからのTechnosoft Automotive への連携です。たとえば、Google スプレッドシートにTechnosoft Automotive のデータを連携し、チームで共有するようなパターンです。ほかにもA5 MkII、Dbeaver のようなクエリツール、Looker Studio、Amazon QuickSight、国産BI ツールなど、WinActor やBizRobo!などのRPA ツール、AppSheet、Unqork、Unifinity などのノーコード開発ツール、AI・ML プラットフォームからの連携など多様なツール・ミドルウェア連携のニーズがあるでしょう。

大事な点は、ユーザーが慣れ親しんだツールからTechnosoft Automotive データにアクセスできることです。CData では、170以上のツールからTechnosoft Automotive データにノーコードでのシームレスなデータアクセスを実現します。ODBC、JDBC、ADO.NET などのドライバーやデータ仮想化サービスのCData Connect での接続方法がすべて記事になっています:https://www.cdata.com/jp/drivers/dynamics365/

例えば、Google スプレッドシートからDynamics 365 データにアクセスするにはCData Connect Cloud を使うと便利です:https://www.cdata.com/jp/kb/tech/dynamics365-cloud-google-sheets.rst

Tehcnosoft へのツールからの連携

日本の会計ツールとの連携

ディーラーマネジメントシステム(DMS)データは最終的には会計システムにつなぐ必要があります。Technosoft Automotive では、自身の会計モジュールの提供があるほか、Dynamics 365 Business Central を使うことも可能です。しかし、会計ツールは多くの企業で変更しにくいという面があります。従来日本の会計ツールを使っている、税理士先生の好み、業務側から経理側への変更の依頼の難しさなどの理由は当然あると思います。

このような場合には弥生会計やPCA 会計などの仕訳ベースの会計ツールへのTechnosoft Automotive のデータ連携をCData Arc で行うことが可能です。

会計連携

CData Arc(https://www.arcesb.com/jp/)は、Dynamics 365 のようなクラウドサービスへの接続、Dynamics 365 データの仕訳データへの変換、エンコードを含むCSV ファイル生成などをノーコード&ローコードで行える製品です。数ステップでDynamics 365 の売上・請求データを弥生会計の売上仕訳データとして連携することが可能です。

既存のDMS のREST API 公開

多くのカーディーラー様ではすでにDMS を導入されているお客様も多いと思います。しかしAI を含むモダンなDMS であるTechnosoft Automotive Solution への乗換を検討する際にも「既存のDMS のこの機能は移管したくない」ということもあろうかと思います。そういった際には既存DMS のDB へのアクセスが可能であるならば、既存DMS にREST API 機能をCData API Serverにより付与することで、Technosoft Automotive Solution から既存DMS 機能を使うことが可能になります。

CData API Server(https://www.cdata.com/jp/apiserver/)は、RDB から本格的でセキュアなREST API を数クリックでノーコード生成することができるツールです。既存DMS からのAPI 生成が簡単に行えるだけでなく、生成したAPI はOData というグローバルな規格に則っており、Dynamics 365 から外部オブジェクトとしてそのまま利用できるという利点を持っています。

既存DMS のDB にREST API 機能を付与するAPI Server

統合データ分析基盤の構築

カーディーラー様ではDMS の他にも多様なシステムを使っているでしょう。それをすべて置き換えていくのは難しいというケースも想像できます。ただし、業務データや顧客データがそれぞれのシステムに分散して存在している状況ではデータドリブンな経営判断・現場判断がむずかしくなってしまいます。そのような場合にはAzure SQL やAzure Synapse などのDWH に業務データをETL&ELT して統合データ分析基盤を提供することが重要です。

CData Sync は、Dynamics 365 はもちろん、各種DB、400種類以上のSaaS をデータソースとして接続可能なデータパイプラインツールです。データソースとデータの同期先のDB を指定して、ノーコードで同期ジョブを組むだけで反復してデータ同期が可能です。CData Sync はそのデータソース対応の豊富さだけでなく、CDC(変更データキャプチャ)や差分更新、柔軟なホスティングオプションが特徴です。

たとえば、Dynamics 365 データをSnowflake に同期するのはこんなにシンプルです:https://www.cdata.com/jp/kb/tech/dynamics365-sync-snowflake.rst

CData Sync は、日本固有のサービスにも数多く対応しています。

CData Sync は国産SaaS にも幅広く対応。

まとめ:

上記のようにTechnosoft Automotive を題材に新規SaaS サービスの導入にあたり大切なデータ連携(統合性)の検証をしてみました。Technosoft はDynamics 365・マイクロソフトのパワーで大変データ連携ではユーザーに使いやすい製品といえるでしょう。そこからはみ出す固有のニーズについてはCData Software がデータ連携のプロとしてソリューション提供をいたします。

まとめ

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